日の出町 大久野 蔵元こだわりの酒で勝負 地域に根差し店づくり さかいや
酒類量販店に対抗して、まちの酒屋は独自の店づくりを求められる。酒の知識を生かした対面販売。量販品の対象にならない地酒へのこだわり。そして配達など。日の出町大久野の㈱さかいや(箕輪豪昭店主)は地域に根差した酒屋として踏ん張っている。
武蔵五日市駅から車で10分弱。ひので三ツ沢つるつる温泉に向かう道沿いに店はぽつんとある。大きな「地酒」の看板が目印。扱う酒は西多摩の5蔵と日本名門酒会の日本酒。棚には各蔵元自慢の酒がきれいに並んでいる。
中央にどんと酒樽とお燗ができる時代物の長火鉢が置かれた店内は、木の温もりと気さくな箕輪店主の人柄に包まれている。店の雰囲気に誘われ、土日は観光客も訪れ、ゆったりとした時間が流れる中でお気に入りの酒を求める姿が見られる。それでも店の売り上げの柱は昔からの顧客。
箕輪店主はそんなお得意さんに喜んでもらうと同時に、顧客拡大を目指して季節の限定商品の販売にも力を入れている。その1つが青梅市の小澤酒造の「澤乃井立春朝搾り」。2月4日の朝、酒蔵では小売店の店主も手伝って作業が行われる。究極の搾りたての酒は夕方には注文主に届く。
完全予約制で、さかいやでは毎年50ケース600本を販売する。今年も27日まで注文を受け付けている。箕輪店主は「量販店では扱えない蔵元のこだわりの酒もしっかりと紹介していきたい」と語る。
今後は店内で、ちょい飲み的な有料試飲を行う計画がある。「おすすめの酒を味わって、購入してもらうのが一番。ぜひ実現したい」と新しい店づくりに意欲を燃やしている。042(597)0632まで。(岡村)