お出かけ先の選択肢のひとつに西多摩に最近できたお薦めの宿を紹介します。近場の旅は交通費が浮く分、宿泊費や食費に予算を回せるのがいいところ。渋滞でイライラすることもなく、滞在先でゆったりのんびり過ごせます。この夏は自然豊かな西多摩の宿でぜいたくな休暇を―。(伊藤)

山上のグランピングサイト
「WOODLAND BOTHY」 あきる野市養沢
プライベート空間で最高のぜいたく 1日1組限定

あきる野市の山あいの地区、養沢。ふもとの集落から山道を30分ほど歩くと、標高約600㍍の山上にただ1軒、グランピングサイト「WOODLAND BOTHY(ウッドランドボシー)」が見える。1日1組限定で受け入れる孤高の宿。山々に包み込まれるようなプライベートな空間で、最高にぜいたくな時間が味わえる。
養沢に暮らす佐藤洋亮さん(39)と友人の加藤太郎さん(39)が共同で経営、6月1日にオープンした。佐藤さんの義父の竹縄俊一さん(63)を中心に建物に使用した木材の伐採、製材からほぼすべての作業を3人で手がけ、構想から2年を要して完成させた手づくりの宿だ。
グランピングは「豪華なキャンプ」の意味。世界的に人気が高まっている新しい宿泊スタイルだ。アフリカなどの海外を含め各地のグランピングサイトを巡って研究してきた加藤さんによれば、同宿のように山の上に1軒しかないサイトは国内でも珍しいという。
ウッドランドボシーでは、調理経験豊富な佐藤さんが肉や新鮮な野菜を使った薪炭料理でもてなす。日中は鳥のさえずりをバックミュージックにウッドデッキに腰掛けて、キングサイズのベッドに寝転がって、外の景色をただ眺めて過ごすのがいい。
水洗トイレ、温水シャワー付きの施設だが、希望すれば併設する古民家の檜風呂にも入れる。料金は1泊2食付き1人3万5000円(子どもは年齢により要相談)。定員4名。古民家は、かつて竹縄さんが営んでいた民宿「大峰荘」を改修した建物。こちらも宿泊(定員10名)、日帰りバーベキューを受け入れている。問い合わせ、予約は042(596)6645まで。

 

川のせせらぎ 露天風呂
ピザ釜など充実 檜原村人里「ゆらく」
多摩産材ふんだん

檜原村役場から南へ車で20分。人里地区に先月オープンしたのが宿泊施設「ゆらく」。多摩産材をふんだんに使った心地よい空間と広い窓から望む山々、川のせせらぎが聞こえる露天風呂が売りだ。バーベキューハウスで天気を気にせず野外料理を楽しめるのもいい。
オーナーは地元で燃料店を営む井上佳洋さん(57)。3年前、知人を介して日の出町の林道の伐採を手伝った際、山に放置されていた木材を「薪にして片付けてもらえないか」と業者に頼まれたのが事の始まり。
引き受けた材は薪で燃やしてしまうにはもったいない立派なものだった。井上さんは木を無駄にしたくない一心から村内の製材所に持ち込み、柱と床材に挽いてもらった。
元来、人を集めて楽しいことを催すのが大好きな人。木を生かし、以前から構想していた宿泊施設を建てることに。宿名は「来た人に愉快に楽しく過ごしてほしい」との願いから妻の百合子さんがつけたものだが、そのまま井上さんの人柄を表しているようでもある。
定員23人。宿泊費1人3500(税別)~、露天風呂の利用は1グループ2000円。バーベキュー、ピザ釜使用は別料金。百合子さんが営む天然酵母パン店「たなごころ」の生地を使ったピザ生地1玉200円。問い合わせ、予約は042(598)6307まで。

 

レンタルテラスで川遊び&バーベキュー
秋川渓谷でゆったり

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渓谷に面したテラス

日帰りで川遊び・バーベキューを楽しみたい方に、あきる野市小中野の秋川渓谷沿いのレンタルテラスはいかが。秋川渓谷に面して作られたテラスからは川辺の涼しい空気が感じられ、目の前の渓谷の風景をプライベートスペースのように静かに楽しめる。テラスから川辺に降りられる。
テラスを運営するのは地元で不動産業を営む高橋和久さん(69)。高橋さんが子どもの頃は秋川はもっと水量が多く、飛び込みなど格好の遊び場だった。今は川底の砂利が増え全体に浅瀬になっているが、川辺の草刈りや清掃などを続け、美しい景観を支えている。
20畳ほどのテラスは屋根付き、イス・テーブルは人数分を用意。隣接する高橋さんが管理する家屋のトイレ、台所、水道が使用可能。
バーベキュー用の器材・食材・ビールなどは事前注文でテラスまで当日配達する(持ち込み可)。
利用料は1日(午前7時~午後6時)5人まで5000円、6人目より1人1000円追加。15名くらいまで使用可能。近隣に駐車場あり1日1台1000円。問い合わせは五日市不動産042(596)0345高橋さん。(澤村)

 

13年ぶりリニューアル開園
北秋川休暇村 檜原村

檜原村笹久保のキャンプ場「北秋川休暇村」が10日、施設の改修を終え13年ぶりにリニューアルオープンした。20人が泊まれる和室のロッジは学生や子どもたちの合宿に、川辺のテント泊はキャンプ好きに需要がありそうだ。
同休暇村は現オーナーの大野重成さん(64)の両親が38年前に開いた。最盛期には開園前に行列ができるほどの人気ぶりだったという。両親と、共にキャンプ場を運営していた兄が亡くなって以降、ほかの人に貸していた時期もあったが、大野さんが定年退職を機に引き継ぐことに。
改修の際、とくに力を入れたのがトイレ。女性にもストレスなく使ってもらえるようにと施設内の全てのトイレを洋式の水洗シャワー式にした。工事には地元の職人を頼み、バーベキューハウスのイスを檜原産のスギで新調するなど村の経済に少しでも役立つよう心がけたという。
村立北秋川中学校を卒業後に村を離れ、現在も練馬区から通勤する大野さんだが、「檜原を思う気持ちが強い。キャンプ場を盛り立てて村に貢献したい」と意欲満々だ。
利用料は和室のロッジ(定員20名)が5万円、バンガロー8000円~、テント持込1区画5000円。バーベキューハウス使用は別料金。調理器具、キャンプ道具の貸し出しも。問い合わせ、予約は090(2330)9031まで。(伊藤)