キラリ!女性消防団員 第2回 日の出町女性消防隊 「顔の見える」地域活動が持ち味

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 日の出町女性消防隊(川岡和子隊長)の設立は23年前と長い歴史をもつ。現在は40代~50代の7人が在籍し、同町消防団の後方支援隊として活動している。
地域の火災予防、応急救護などの指導、各種広報活動など、月に1回くらいのペースで役割をこなす。
記者が訪れた日には、隊員募集のポスターのために、制服姿での撮影が行われていた。「設立以来、今がもっとも隊員数が低迷している。隊員の定年の引き上げなど、これまでより間口を広げることを検討しながら新隊員を募集していきたい」と隊長の川岡和子さん(50)は話す。

 
■自治会との連携
日の出町女性消防隊は、町内に27ある自治会から1人ずつの参加という目標を掲げつつ、これまで常時15人前後のメンバーで推移してきた。
日の出町は、自治会加入率約7割と、全国的にも高い水準を保っている地域。そのような加入率の高い自治会と強く連携しながら、まさに「顔の見える」地域活動を永年にわたり行っているのが、同町女性消防隊の大きな特徴といえる。

 
■子育てから介護まで、話しやすい存在に
活動するうえで女性組織である意味、強みって何ですか?
「たとえば、地域住民が集まる防災訓練の場を、心肺蘇生やAEDの使い方など一般的な防災知識だけでなく、子育てや介護などの話題も含めて話ができたり、情報交換の場に広げられるのは女性隊員の面白さかも」と話すのは、副隊長の橋本ゆかりさん(52)。
孤立しがちな若い母親や独り暮らしの高齢者などが、話しかけやすい雰囲気を心がけていると言う。

 
■「楽しく、無理せず」をモットーに
現メンバーは入隊3年目から16年目まで様々。皆さんの和気あいあい感が伝わってくる。仕事や家庭の用事もありながら、隊員活動を続けている理由は?と聞くと、「普段の生活に役立つ防災や救護の知識を知り、地域の人に伝えたいという気持ちが生まれる。地域の人と話をするようになることが楽しい」と、入隊3年目の萩原ちづるさん(51)。
隊長歴10年と長くチームをまとめてきた川岡さんは、「活動はとにかく楽しく、仲良く、無理せずを心がけている。各メンバーがスキルアップを、楽しく前向きに取り組んでいるところがこのメンバーの強み。地域ボランティアとしてこの隊員活動は、保険や手当など各種制度が整っているので参加しやすいと思う。これから子育て世代なども含め、幅広い世代と人材を巻き込んでいきたい」と話す。
3日に開催された「秋川防災フェスタ~地域とともに」では、川岡隊長が「1日消防署長」という大役を務めた。多くの参加者の前で同町女性消防隊の大きなアピールになったはず。今村秀行秋川消防署長は、「日の出町女性消防隊は、応急救護技術の普及活動など、地域で大きな存在感を示している。活動にますます期待したい」と話す。 (澤村)