「楽しさ」を動機に 奥多摩町 OBC代表 酒井卓真さん

ばんばん 活動風景 「とにかく面白そうだと思うことだけをあれこれやって来た。自分でも何をしたいのかよくわからない団体なんですよ」。奥多摩町と同町小河内地区を盛り上げるために活動している任意団体、OgоuchiBabanCоmpany(オゴウチバンバンカンパニー、OBC)の酒井卓真代表(36)=同町峰谷=は話す。
酒井さんは奥多摩振興財団で、鹿の精肉加工に携わっている。前職は家業の建設業で、専務として経営に従事。10代から20代にかけてはバンド活動の経験を持つ。
2014年に発足したOBCは、奥多摩在住、出身の30代の若者らを中心に「奥多摩と小河内地区の町おこし」を掲げて活動する20人弱の団体。主な活動は奥多摩フィールド(旧小河内小学校)での夏祭り「小河内BANBAN祭」の運営や、町の魅力を歌ったオリジナル曲の制作とライブパフォーマンス、奥多摩駅前の地ビール店「バテレ」で使うホップの栽培を行っている。
発足のきっかけは、同町氷川保育園の保育士、島崎勘さん(35)らと酒井さんが、「小河内を盛り上げるために若い人で何か団体を作りたい」という話題で盛り上がったこと。小学校の同窓生らに呼びかけ、「まずは、小河内小で毎年行われていた夏祭りを復活させようと活動を始め、その年に実現させた」という。
祭りの後、OBCの活動は定まらないままだったが、酒井さんは町をテーマにした『だべだべロック』という曲を島崎さんらと団体を立ち上げる数カ月前に作ったのを思い出した。「町のことを歌った曲を発表し続けることで、地域活性化活動団体としての道が開けるのでは」と考え、楽曲づくりをすることに。活動は徐々に知れ渡り、現在では一緒にステージに立って歌う町の子どもたちを引き連れ、年10回ほどイベントに出演している。
昨年夏に始めたホップ栽培も無事に成功を収め、軌道に乗り始めたOBC。「小河内には、活動に口を出してくる大人がいない。若者主体で自由にのびのびやれる」と感謝する酒井さん。今後について、「楽しいと直感したことに取り組みたい。どこに行きつくかは僕らもわからないけれど、活動を続けていれば、新しい展開がやって来ると思う」と笑う。(小澤)