趣味の郷土史研究家の労作 「吉野村史」を編纂・発行

鈴木善勝さん(78)が「吉野村史」
鈴木さん(左)と浜中市長

青梅市梅郷の趣味の郷土史研究家の鈴木善勝さん(78)はこのほど、同市の旧吉野村(現・柚木、梅郷、和田、畑中)に関する「吉野村史」を編纂・発行した。18日、同市役所を訪れ、浜中啓一市長に本を贈呈した。
明治22(1889)年に柚木、下(上郷・中郷・下郷)、日影和田、畑中の4村が合併してできた吉野村が昭和30(1955)年に青梅市に編入するまでの66年間の歴史を記したもの。
川上郡三初代村長の「村名の由来」や「梅が吉野の特産となった話」などこれまで個別に公刊され、発表された史・資料を分野別、項目別、年代順に編纂し、まとめた労作。資料集めから発行まで約2年を要し、巻末の参考文献は公刊図書など80数点を数える。A5判210㌻。自費出版で非売品。
鈴木さんは静岡県の出身で平成4(1992)年に梅郷に移住。元陸上自衛隊勤務。同著のほかに青梅の豪族、三田氏を扱った著書がある。
鈴木さんは編纂の動機を「部分的に書かれたものはあるが、全体的なものがないと判断し、記憶が薄れたり、記録が散逸しないうちにまとめたいと思った」と述べ、「既存の資料と資料をつないでいく過程でぴたりとつながったときがいちばんうれしい」と述べた。
浜中市長は「この本を読むとなぜ梅を植えたのかなどがよく分かる。梅の里復興に取り組んでいる市にとって良いタイミングで出していただき、吉野地域の再認識という意味でも有り難い」と刊行に感謝した。(吉田)