秋川牛の人気上昇 平均価格 仙台牛を抜く

秋川牛1 都内唯一のブランド牛「秋川牛」の市場価格が高騰している。都中央卸売市場食肉市場(港区)で9日行われた競りで、1㌔の平均価格が約2750円となり、仙台牛の平均価格を150円ほど上回った。これまでは平均2400円前後で推移していた。
秋川牛を扱う松村精肉店(あきる野市小中野)の松村兼房専務(43)は「仙台牛は松阪牛などと比べると庶民的な価格の銘柄牛だが、それでも秋川牛が仙台牛を完全に抜くことはこれまでなかった」という。高値が付くのはそれだけ引き合いがあるということで、人気が高まっている証拠だとみている。
同店では現在、都内10余りの飲食店に秋川牛を卸しているが、最近は新規で2日に1件ほど秋川牛の問い合わせがある。東京五輪に向け、都内産の食材を求める飲食店が増えてきているのを感じるという。
市場価格の高騰は精肉店としては痛いところ。だが、同店では牛を一頭買いすることで店頭価格を抑えている。「秋川牛は秋川渓谷のブランド牛。秋川牛の産地に住んでいるということを市民に誇りに思ってもらいたい」と松村さんは話している。
秋川牛は同市菅生の竹内牧場で飼育される黒毛和牛。生産者は同牧場のみで、現在250頭を飼育している。(伊藤)