間取りから当時の暮らしを知る 企画展「青梅市の文化財住宅~民家と町屋のしくみ~」 民家の模型など70点の住宅資料 4月7日まで 青梅市郷土博物館

青梅市郷土博物館(宮崎家住宅)
宮崎家住宅(実物)

企画展「青梅市の文化財住宅~民家と町屋のしくみ~」が4月7日まで同市駒木町の釜の淵公園内の青梅市郷土博物館で開かれている。
市内の7軒の指定文化財・登録文化財の民家や町屋の建物の模型、図面、写真、文書、資料など約70点が展示され、住宅様式や部屋の間取りから当時そこに住んだ人々の暮らしや社会的在り様が学べるように企画されている。
「宮崎家住宅」(国指定重要文化財、郷土博物館横)は元北小曽木村(現成木夕暮地区)で19世紀初頭に建てられた山間部の農家。
間取りは作業をする「土間」、そこから上がる「囲炉裏」のある板敷きの「広間」、それに続く畳敷きの客間用の「出居」とその北側の寝所用の「奥」の「三つ間型。
民家の間取りとして確立した「四つ間型」に移行する前の「広間型」と呼ばれる農家特有の三つ間型を伝えている貴重な文化財だ。
土間から板敷きへ上がる床が低いことや土間のすぐそばに風呂場があることから建物全体が土間での作業を中心に考えられていることが分かる。1977(昭和52)年に当時の所有者の宮崎義雄さんが市へ寄贈し、現在地へ移築された。
「吉野家住宅」(都有形文化財、新町)は江戸時代初期に新町村を開拓した名主、吉野織部之助の屋敷。1855(安政2)年の建築。
板敷き(広間)の半分を「座敷」にした四つ間型間取りに、「玄関」と「納戸」を加えた「六つ間型」である。間取りは玄関に「式台」を設けるなど幕府の役人などの接待を中心に造られていることが分かる。1975(昭和50)年に市に寄贈された。建物は見学者のために開放されている。
「町屋造り」は農家が敷地の奥に建てられるのに対し、通りに面して建てられ、商業活動を行う「表土間(店舗)」と居住空間の「母屋」、それをつなぐ「通り土間」などの様式と間取りが特長である。
「旧稲葉家住宅」(都有形民俗文化財、森下町)は青梅村の町年寄で、材木業や青梅縞の仲買業を営んだ豪商、稲葉又右衛門の商家で、江戸時代後期の文化年間(1804~18181)の建築。
間口いっぱいを使った「表土間」と母屋を含む建物全体を漆喰で覆う「店蔵」造りが特長で、母屋も防火対策のため「土蔵造り」になっている。1979(昭和54)年に市に寄贈され、見学できる。
「旧ほていや住宅」(国登録有形文化財、仲町)は間口が狭く奥行きが長い典型的な町屋造りで、前面が店、次に居間、座敷、中庭、奥に土蔵の順の間取り。建物の中に「通り土間」の通路を設け、部屋の反対側に竈や流しがある。
同住宅は昭和初期の看板建築としても知られ、元は玩具店でその前は靴屋。現在、ゲストハウス&喫茶室として営業中。
江戸時代からの筏師総元締めだった「福島家住宅」(都有形文化財、沢井)、神殿、宿坊のある「馬場家御師住宅」(同、御岳山)、市で最初の国の国登録有形文化財に登録した「宇津木家住宅」(西分町)も紹介されている。
企画展を鑑賞したあとに市内の見学可能な文化財住宅を訪ねたい。     (吉田)