貴志嶋神社30年 ぶりの御開帳 新緑の弁天山 老若男女が参拝

貴志嶋神社30年一度 あきる野市の網代弁天山中腹にある貴志嶋神社で21日、ご神体が30年ぶりに開帳された。ご利益にあやかろうと近隣から大勢の人が参拝に訪れ、正午前後には社殿前に長蛇の列ができた。
同神社は神仏習合の名残をとどめる神社。境内の由緒書きには、足利尊氏の母の守護神として勧請されたとある。社殿内の厨子に大黒天と毘沙門天を従えて弁財天が祀られ、その下に十六童子が並ぶ。厨子天井には龍の絵が描かれている。
御開帳は本来60年に一度だが、あまりに長すぎるということで30年に一度、中開帳をはさむことに。それでも次は30年後だ。「次は見られないかもしれないから」と、息を切らして山を登る高齢の参拝者が目立った。ハイキング気分の若い親子連れも多かった。
社殿横の神楽殿では留原はやし保存会が終日、軽妙なリズムで祭りムードを盛り上げた。麓の網代会館周辺には宴席が設けられ、歌や踊りのステージ、飲食の模擬店などでにぎわった。
この日に向け数年がかりで準備を進めてきた御開帳祭典委員会の岸宗夫委員長は「新緑の弁天山にお囃子の音が響き、夢のようににぎやかな一日だった。これだけ多くの方に参拝していただきうれしい。地域の自信にもつながったと思う」と話した。(伊藤)