見て、触れて、かいで体験 すぎの子保育園でだし講座 あきる野市 伝統の味、和食を伝え継ぐ
和食に欠かせない「だし」について、その素材や取り方を学ぶ食育集会が21日、あきる野市立すぎの子保育園(柳田利恵子園長、同市戸倉)であった。古くから受け継がれてきただしの味を幼い頃に記憶し、豊かで健康的な食生活を子どもやその先の世代につないでいこうというもの。市立の3保育園で毎年行われている。
3歳~年長園児9人が、同市の管理栄養士で給食の献立を作っている尾作由佳さんに話を聞いた。尾作さんは昆布、シイタケ、煮干、かつお節といっただしの素材を、実物を見せながら紹介。「昆布は海に生えている時は旨味が外に出ないけど、刈り取って乾燥させるとだしが出る」などと解説した。
次に昆布とかつおのあわせだしを取る手順を実演。昆布だしを取った鍋の湯にかつお節を投入すると、部屋中にだしの良い香りが広がった。「うどんのにおいがする」「良いにおい」と園児ら。続いて湯に醤油を加えたもの、だし、だしに醤油を加えたものの3種類を飲み比べ、色やにおい、味の違いを体験。最後にだしの素材を手に取り、じっくり観察した。
尾作さんは「だしは皆のひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんのそのずっと前の人たちが『これ作ると美味しいよ』と言って受け継いできた味。ユネスコの世界遺産にも選ばれ、世界に認められている。今日聞いたことを、帰ったらぜひ家の人に話してほしい」と呼び掛けた。
園児の反応を眺めていた柳田園長は「どんなものからだしが取れるのか、見て、触って、においをかいで知ることができ、すごく貴重な体験になった」と振り返った。(伊藤)