講演会に170人 西多摩地区保護司会 更生保護の重要性伝える

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あいさつに立つ中村会長

西多摩地区保護司会(中村經男会長)は先月22日、福生市民会館小ホール(同市福生)で地域活動推進講演会を開催した。東京更生保護施設連盟会長の山田憲児氏が「更生保護の心」と題して講演し、約170人が聞き入った。
同保護司会は更生保護と保護司の活動について、地域で理解を深めてもらい推進していこうと、例年この時期に講演会を開催している。中村会長は冒頭あいさつに立ち、「山田先生は一貫して更生保護に携わってきた熱い思いを持った方だと聞いている。いろんな経験、体験をお話しいただき、勉強させていただきたい」と話した。
山田氏は1948年新潟県生まれ。東京大学教育学部卒業後法務省に入省し、横浜保護観察所長、法務省保護局総務課長、四国、東北、中国、近畿委員会委員長を経て2012年に退職。NPO法人全国就労支援事業者機構事務局長などを経て、現在も埼玉県蕨・戸田地区で保護司を務める。
山田氏はプロジェクターを使いながら、更生保護や刑罰の歴史、犯罪情勢、先人たちから学んだ言葉など多岐にわたって、自身の経験談を交えて講演した。
刑務所出所者のうち、満期釈放者が出所した年に再び刑務所に入る再入所率は8・1%だが、仮釈放者は1・5%と大幅に低いデータ(2013年)を提示。「満期出所者は釈放後帰住先がない人が多い。一方で仮釈放者は更生保護施設などに帰住する人が多く、保護司が見守っている。再犯率の差は更生保護の制度が支えている」と活動の重要性を語った。 (佐々木)