カレーパングランプリで最高金賞 秋川駅前「あ・ら・もーど」 進化する「秋川牛カレーパン」

売上の2割を占める人気商品「秋川牛カレーパン」を手にする野田店長
売上の2割を占める人気商品「秋川牛カレーパン」を手にする野田店長

秋川駅前のパンの家「あ・ら・もーど」(野田満由樹店長)の「秋川牛カレーパン」が昨年11月、カレーパングランプリ2019(日本カレーパン協会主催)キーマカレー部門で最高金賞を受賞した。
同店のカレーパンは、外はカリッと、中はもっちりの生地と旨味たっぷりのトロリとしたカレーが特長。特に揚げたては、いつ食べても、何度食べても新鮮な感動がある。老若男女、多くの人に愛されるカレーパンだ。
同店がカレーパンを始めたのは、近隣に大型店舗が進出した影響で売上が大きく落ち込んだ時期。危機的状況を打破するヒット商品になればと、どこの店でも売上の上位にあるカレーパンに取り組んだ。市販のルゥを使って作ると1日20個売れた。
「もっと美味しくすれば、もっと売れるかも」。飲食店プロデューサーに相談し、教わったレシピと販売法でカレーパンを売ると70個売れるようになった。
手ごたえをつかんだ野田店長(54)に転機が訪れる。2012年、東京サマーランドであった食の祭典「大多摩B級グルメ」だ。店の再起をかけてイベントへの出店を決め、地域の特産「秋川牛」を使ったオリジナルのカレーパンを考案した。
イベントを機にカレーパンは店を代表するヒット商品となる。その後「秋川牛カレーパン」と名を変えたことで知名度もアップ。手ごたえが確信に変わり、「もっと、もっと」という気持ちが生まれた。
これまで取り入れた「改善」は数え切れないほどある。中身のルゥを伸ばすのを水でなく自家製ブイヨンにしたり、パン粉を自家製にしたり、秋川牛の仕込みに塩麹を使い始めたり。開業前、洋食店に7年勤務した経験と知識を総動員しカレーパンを進化させてきた。
つい最近では、具に旨味をプラスするため隠し味に干しエビとゴマペーストを加えた。「行列のできるラーメン店でヒントをもらいました」と野田さん。カレーパンはまだまだ進化し続ける。(伊藤)