青梅マラソンコース 変わる町並み 雨が誘う無常 店は消えても応援続く

 16日に開催された青梅マラソン。10㌔の部は午前9時半に号砲が打たれた。5分もすれば首位グループは旧青梅街道の商店街を通る。昨年3月で閉店した青梅市本町のレコード店、マイナー堂の前では今年も「帰ってこいよ」が流れた。
 〽帰ってこいよ 帰ってこいよ 帰ってこいよ
 「帰ってこいよ」の横断幕を張り、カセットをセットしたのは店で20年余り働いてきた斎藤恭子さん(44)。「『歌は続けて』との声を多くいただき、店は閉めても応援は続けたかった」という。ランナーが駆け抜けるたびに精一杯の声援を送った。
 スタートと共に雨は強くなった。マイナー堂から東へ50㍍。青梅赤塚不二夫会館は来月閉館。来年は姿を消す。雨が変わりゆく町並みの無常観を誘っているようだ。
 一方でランナーを迎える新しい顔もある。昨年4月に開館した同市上町のネッツぐーたまセンター(文化交流センター)だ。ガラス張りの建物が通過する選手を鏡のように映す光景は都会的でもある。
 「円谷幸吉選手と走ろう」を合言葉に始まって53年。時は流れた…。(岡村)