新収蔵品展2019 青梅市郷土博物館 4月5日まで 玉堂祭浴衣、手ぬぐいなど 御岳小橋で踊る写真も

玉堂祭浴衣と手ぬぐい

 青梅市郷土博物館(同市駒木町)で「新収蔵品展2019」が来月5日まで開かれている。平成30年度の寄贈品の中から精選した約60点が展示されている。
 注目は市の文化財に詳しい小島みどり氏寄贈の玉堂祭浴衣。当時を記憶している人には懐かしく、玉堂祭の輪踊りを話に聞いた人は自分の目で浴衣を見たいに違いない。玉堂ファンにとっても見逃せない。
 浴衣は玉堂翁がこよなく愛した多摩川の波模様が「多摩川小唄」の文字とともに染め抜かれている。踊り手が頭に被って御岳杣唄などを踊った手拭いも添えてある。「御岳杣唄」は玉堂翁の作詞である。
 郷土写真家、宮崎廷氏(85)が撮影した御岳小橋や杣の小橋の上で大勢の人が踊っている写真も展示してある。
 説明書きでは、同浴衣は日本画の巨匠で文化勲章受章者の川合玉堂翁の美術館を運営する玉堂会と御岳観光協会が昭和39(1964)年から始めた御岳渓谷夏祭り「玉堂祭」で着用したとある。
 踊り手はこの浴衣を着て御岳小橋、桟道、杣の小橋、祭の本部となった御岳苑地を輪になって踊った。青梅市中からも大勢の人が踊りに来た。花火も打ち上がるなど大変賑やかだったという。
 収蔵品展はそのほか昭和20年~30年代に全国的に流行った青梅夜具地、青梅選出の国会議員の津雲国利氏の名がある戦勝祈願の日章旗、昭和30年前後の七五三の帯、下駄、ぽっくり、昭和59(1984)年、青梅青年会議所が発行した「青梅かるた」、昭和28(1948)年、永山公園の植樹祭に参加された昭和天皇皇后両陛下の写真などがり、興味が尽きない。(吉田)