広がる「こども弁当」ムーブメント 奥多摩町でも2店で開始

新型コロナによる臨時休校で子どもたちの食事を準備する保護者の負担を減らそうと、地域の飲食店などが安価で食事を提供する「こども弁当」の動きが広がりを見せている。奥多摩町でも2店が提供を始めた。(伊藤)

奥多摩駅近くの氷川食堂(郷克城店長)では8日から、町内の小中学生向けに「こども弁当」を始めた。当初は店頭引き渡しのみとしていたが、利用者の要望に応え氷川小学校内の氷川学童保育会には配達をするようになった。今後は一定数以上の注文があれば取りまとめ先への配達も検討しているという。
郷店長は「新型ウイルスでお子さんのいる家庭は気苦労されていると思う。私たちができるのは食べ物を提供することなので、お母さん方が少しでも休めるよう、また子どもたちに喜んでもらえるようお弁当を始めた」とし、「配達などの面でもお客様の反応を見ながら臨機応変に対応していきたい」と話している。
期間は4月5日までを予定。価格は1食税込み250円。前日11時~19時に電話で予約し当日11時~18時に店頭で受け取る。火・水曜休み。問い合わせ・予約は0428(83)2401まで。

氷川食堂が休みの火・水曜に「こども弁当」を提供するのは同町海沢の鈴木里華さん。子ども(小学生~高校生)だけでなく大人も利用できるところが喜ばれている。
鈴木さんは町内の氷川国際ます釣場2階にある蕎麦太郎カフェの従業員で、カフェが休業する冬場のみ同カフェで「月曜食堂」を営んでいる。今回の事態に「自分も調理で役に立ちたい」と思ったものの、「一人でどこまでできるのか」との不安も。悩んだ結果、先行する氷川食堂の定休日を埋める形で週2日のみ提供することにした。
肉のおかずを入れ彩りよく詰めるなどコンセプトは「子どもが喜ぶお弁当」だが、「よければ大人もどうぞ」というスタンス。「お弁当を頼めるのは子どもだけ、お母さんは別に用意するというのでは二度手間になる。お母さんたちだって休みたいし、他人の作ったごはんを食べたいはず」と大人の注文も歓迎する。
ただ、一人で調理しているため1日20食程度が無理なく継続できる限度だという。前日17時までに電話で予約を。氷川学童保育会には配達する。価格は小学生~高校生は250円(大盛り可)、大人500円。予約・問い合わせは0428(83)8160まで。