肝要の里 ヤギ乳アイスをプレゼント 台風 19号で孤立した地で生産 学童クラブの児童100人に

地元農産物の加工・販売を行っているひので肝要の里(日の出町大久野)は3月日、町内の学童クラブに通う児童約100人にオリジナル商品の「ヤギ乳アイス」をプレゼントした。肝要の里を経営している同町サービス総合センターが「新型コロナウイルスの影響がある中、頑張っている子どもたちを応援し、少しでも明るい話題を提供したい」との思いで実現した。

同町学童クラブには小学1年~4年の児童が入所。3月上旬に臨時休校が始まって以降、通常は学校に行っている時間帯も開所し、入所児童の居場所になってきた。

同センターは肝要の里のほかつるつる温泉や日の出山荘も経営しているが、ウイルスの感染拡大を防ぐためとして臨時休館を余儀なくされている(3月26日現在、いずれも4月12日まで休館予定)。同センターの神田悦男総務課長は「従業員さんに給料を払っていかなければいけないし、経営は本当に苦しい。ただこんなときだからこそ少しでも明るい気持ちになれたら。落ち着いたときに、温泉などに遊びに来てもらえればうれしい」と話す。

肝要の里は昨年10月の台風19号の影響で、施設に続く都道が崩落。同施設を含む大久野地域の一部が一時は孤立状態となった。同施設で乳製品の製造を担当しているパート職員の松尾雄司さん(70)は、施設そばに住み自身も不便な生活を強いられた。「それまでは話したことがなかった人からも『大変だね』と声をかけてもらい心強かった。地域のつながりも強くなったと感じた。今回はその恩返しになれば」と話していた。

ヤギ乳アイスは肝要の里やつるつる温泉、施設近隣のさかな園で販売している。(佐々木)