あきる野市 土籠 茶房営業終了、レンタルスペースに 21日~26日感謝祭 展示作品の一部を販売
茶房ギャラリー土籠(あきる野市上代継、私市裕子オーナー)はこのほど、27年目に入った茶房営業を終了し、展示も含めたレンタルスペースとして再スタートを切る。21日~27日「感謝祭」を行い、これまで同ギャラリーで紹介した作品の一部を展示販売する。
私市さん(75)が店を始めたのは、3人の男児の子育てがひと段落した40代後半。若い頃から焼き物を見るのも使うのも好きで、子どもが手を離れたらお茶を飲みつつ作品を楽しめるギャラリーをやってみたいという思いがあった。
公務員の夫の応援で自宅一角にモダン和風な建物を構え、「心を込めて作ったものなら何でも」というスタンスで作家のレベルを問わず展示を行ってきた。太い梁、高い天井、漆喰壁がつくる空間に飾るとどんな作品も映え、窓から臨む秋川の清らかな風景に心癒やされたという人は作家にも客にも多くいる。
展示と並行して行ってきた喫茶営業だが、「まだ余力のあるうちに整理しておきたい」と終了を決めた。
これまでの歩みを振り返り、私市さんは「絵、書、人形、焼き物……いろんな方に使っていただき、飽きずに商いできた」と感謝する。今後、事業を縮小するにあたり「仕舞っておくより皆さんに飾ってもらう方が作品が生きるはず」と自身が買い集めた品々を購入時より安価で販売するという。その中には、あきる野ゆかりの日本画家山本瑞謙や、墨彩画の渡辺俊明など著名な作家の作品もある。
新型コロナの感染拡大を受け、感謝祭の中止も考えたが、「自分の中の一つの区切りとしてひっそりとでもやりたい」と決意。当初予定していた飲食やコンサートなど感染リスクのある催しは中止し、マスクの着用や手指の消毒、会場を開け放つなど安全対策を徹底して行う。(伊藤)