御岳山にもコロナウイルスの影響 日の出祭は神職のみで 神社では毎朝コロナウイルス収束を祈願
新型コロナの感染拡大を受け、青梅市御岳山の武蔵御嶽神社は例大祭の日の出祭(5月7日〜8日)で神輿渡御や一般参列を中止し、神職のみで執行することを決めた。人気の修行体験講座も6・7月開催分は中止にした。また自然公園の一部である御岳山は、山内のビジターセンターが利用自粛の対象に。神社のほか、山上では宿坊や土産物店が営まれているが、新型コロナの影響はーー。(宮前)
武蔵御嶽神社によると、春は例年、講の参拝者が多い時期だが、中止となったり、人数を減らして行われるようになり、参拝客は減少。社務所に勤める神職の人数も最小限にとどめている。なお同神社では、毎朝行われている日供祭で新型コロナの収束を祈願しているという。
他方、御岳山への足となる御岳登山鉄道は、御岳山で暮らす人の生活路線でもあるため、ケーブルカーは通常運行を続けている。
客足の変化を聞くと、3月は通常オフシーズンに当たるが、3連休は臨時便を出すほどの人出となったという。一方、この時期に多い講や学校の遠足での利用は中止が相次いだ。さらに、外出自粛要請が出てからの一般の利用者は大幅に減っているという。
また、東京都の施設でもある御岳ビジターセンターは、3月から臨時休館が続く。イベントも5月までのものは中止となった。事務作業などはあるため、職員は出社しているが、4月からはテレワークを導入し、出社は毎日1人ずつのローテーションで回している。
多くの登山客が訪れた3月の3連休ごろまではSNSで花の紹介などをしていたが、利用者からの問い合わせなどもあり、発信の仕方を検討するようになったという。その後、自然公園内の施設が利用自粛要請の対象となったため、利用を控える発信に切り替えている。山で暮らす人からは、「お客さんが来ないのも困るが、高齢者も少なくないため、コロナを持ち込まれるのも怖い」という声も出ているという。
御岳山観光協会会長で、外国人の宿泊客も多い宿坊・駒鳥山荘を営む馬場喜彦さんは「外国人のお客さんはキャンセルばかりです。宿は閉めていないので1週間に1〜2人くらいは泊まりに来ますが、講などの団体はほぼ中止。年内は厳しいのでは」と話している。
御岳山を含む青梅市は、西多摩地域広域行政圏協議会の調査によると5月は日帰りの観光客数が、8月は宿泊客数が年間で最多となっており、これからハイシーズンとなるはずだった。天空の宿坊、暮らしを守るためにも、まずは外出自粛要請が解けることを願いたい。