給食用野菜安く販売 青梅 八百富士

山本さん(右)と先代が総出で店を切り盛りする
山本さん(右)と先代が総出で店を切り盛りする

青梅市長淵の野菜卸売り専門店、㈲八百富士(山本哲也社長)は3月からの一斉休校に伴い、給食センターに納入予定だった野菜の特売を行っている。

吉野街道沿いの同店店頭には「学校給食用野菜、1袋100円」と大きく書いた紙が貼り出され、ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンが1袋100円(税込、約1㌔入り)。その他にもレタス、キャベツ、キュウリ、トマト、果物などが並ぶ。取材日の12日も、買い物袋がいっぱいになるほどの野菜を買い求める客が続いていた。

同市と羽村市の給食センターなどへの卸売りを請け負う同店は、臨時休校が決定し、3月2日に納入がストップした。行き場のない品物の中で、「自粛中の方が作りやすいカレーやシチュー用に」とジャガイモ、ニンジン、玉ねぎを、数量限定で販売したところ好評。客から「他の野菜も購入できたらうれしい」と要望があり、種類を増やし、陳列スペースも広げて特売を続けている。

客の口コミと新しく開設した同店のインスタグラムで特売の情報が広がり、市外からの来店もあるそうだ。客からは「自粛中は食材の消費量が増えるので、新鮮な野菜が安く買えてうれしい」「コロナ収束後も販売を続けてほしい」などの声が寄せられている。

SNSで特売情報や野菜の豆知識も発信する山本社長(49)は「お客様の口コミや、SNS上の情報拡散のおかげで来客が増えてうれしい。先代は行商で、売り方、店のあり方を時代の流れに合わせて変化させ続けてきた。『ピンチはチャンス』と思い頑張りたい。学校再開後も、納入不要となる野菜を安く提供していきたい」と話す。特売の営業時間は平日9時~15時。問い合わせは0428(24)2248まで。(木住野)