玉堂美術館 玉堂師弟展が始まる 玉堂と心眼の画家、菊地良爾の師弟愛溢れ

玉堂が高く評価した菊地良爾の作品

青梅市御岳の玉堂美術館(小澤順一郎館長)で3日〜玉堂師弟展が始まる。玉堂の秋の風景画と内弟子で心眼の画家、菊地良爾(りょうじ)の作品を展示する。

菊地は幼い頃から絵を描くことが好きだった。玉堂と伊東深水の下で修業し、画家として進むべき道が見えてきた頃、不運にも重い眼病にかかる。

画家として生きることは困難と診断され、画家生命を絶たれたと誰もが思った。秋田の妻の実家に身を寄せた。それでも1年ほど経った頃、わずかながら物の形や色が識別できるようになってきた。子どもと近くを散策するようになったとき、盆踊りを見て描きたいとの衝動が沸いた。夢中で描き上げると、「玉堂先生にお送りしてみたら」と妻の助言があった。その言葉に押され、手紙を添え送った。

玉堂からの返答は、玉堂の後押しを受け三越本店で個展を開催。作品は完売した。

師弟展では菊地の作品と共に再起の個展に賛助出品した玉堂の「みのり」などを展示する。

会期は12月6日まで。開館時間は10時〜17時。月曜休館。入館料は大人500円、大学生・中学・高校生400円、小学生200円。問い合わせは0428(78)8335まで。(岡村)