青梅 ギャラリー「亜陶」で現代油彩画の「世界の巨匠展」 11月8日まで 草間彌生、東郷青児、ビュッフェなど
草間彌生、東郷青児、ベルナール・ビュッフェ、アンドレ・ブラジリエといった現代絵画の巨匠たちの油彩画を集めた「世界の巨匠展」が、青梅駅から徒歩13分のギャラリー「亜陶(あど)」(青梅市大柳、大森忠義店主)で11月8日まで開かれている。ほか田村能里子、ロバート・ハインデルなど国際的に知られた計9人の30号前後の作品を中心に13点を展示。コロナを気にせず気軽に鑑賞できる巨匠展である。展示作は販売可。
草間彌生(1929〜)の「カボチャ」は前衛の女王の原点的作品として知られる。画面は黒と白で構成されタテ長のカボチャの表面は無数の黒の水玉でぎっしりと埋め尽くされている。
水玉模様は草間ドットといわれ草間が幼少期から悩まされた幻覚や幻聴をアートに形象化させたもの。長野県出身。文化勲章受章。
東郷青児(1897〜1978)は果物籠を手にエプロンをした二人の洋装の「婦人像」(30号)と6号の小品「島と少女」の2点を展示。そのデフォルメされた柔らかな曲線と色調の女性像の造形は余りにも有名。「亜陶」会場で堪能していただくために写真掲示は割愛した。鹿児島県出身。二科会々長で同会のドンと云われた。文化功労者。
現代フランス具象画の代表的画家のベルナール・ビュッフェ(1928〜1999)の「花束」は本展の主役格。
作品は細い支柱の卓子の上の細長い花瓶に先の尖った5本の細長い葉と白色のカラーの花が硬質の線描と抑えた重い色調の中で極めて主観的に描かれている。
自他を峻別する黒い直線的な輪郭線が今次大戦以後の現代人の不安を表現しているといわれる。作品は高価で中々取得できない。
同じフランスの画家で世界的に知られたアンドレ・ブラジリエ(1929〜)の「黄昏の公園」(30号)は公園の木立の道を馬に乗った人や馬の群れが軽走する夢幻的な作品。青色を基調に印象的な三本のピンクの横線の道を交えこの画家の特長である動きのある鮮やかなタッチが心地よい。
ロバート・ハインデル(1938〜2005・米)の「能衣装・黄」と「同・青」の2作は真っ黒の背景の舞台から能衣装が鮮やかに浮かぶ。バレーやミュージカルをモチーフにした作品が得意。現代の「ドガ」と称され日本にもファンが多い。
中国西安の飯店や青梅市慶友病院の壁画で知られる田村能里子(1944〜)の「風舞」(7号)をはじめ小林欣子の「花束の来た日」、荒木義太郎の「トゥシューズを履く」、立川広巳の「パープルシャワー」などどれも一流の画家の見応えのある作品である。
営業時間は10時半〜17時。月・火曜定休。問い合わせは0428(21)0112まで。(吉田)