「暮らしのうるし展」 13日から繭蔵で 青梅で工房50年の二重作さん

酒を注ぐと朱の文様が浮かび上がって美しいぐい呑み(下)など約200点を展示

青梅に漆工房を開いて50年になる二重作(ふたえさく)櫻さん(77)の個展「暮らしのうるし展」が13日~23日、同市西分町のギャラリー繭蔵で開かれる。

漆製品は飾って眺めるよりも、暮らしの中で日常的に使ってこそ良さが際立つというのが二重作さんの説。分業が一般的な漆工芸の世界で、木地をろくろで挽くところから全ての工程を一人で手掛ける。作品は食器が中心で、今回もぐい呑み、椀、弁当箱など200点近くを展示する。
軽くて保温性が高く、しかも器自体は熱くならないなど、機能的にも優れた面の多い漆器。日が経つにつれ艶が増し、どんどん美しくなるという良さもある。

1971年に東京芸大大学院漆芸専攻を修了。芸大入学時から故磯矢阿伎良に師事し、大学院卒業後は磯矢の工房「朱文筵」(同市梅郷)で引き続き学んだ。年、朱文筵近くに「館の工房」を開き、現在まで漆一筋。漆器を使った豊かな食事を提案する。

展示が始まる13日は奇しくも「うるしの日」。漆との縁の深さを思わずにはいられない二重作さんだ。

会期中、濱田梓さんの銀と漆のジュエリーをコラボ展示。14日17時30分~村山かつらさん、坂本誠吾さんのライブ「アリアを聴く夕べ」を開催する。展示は11時~17時。17日休廊。問い合わせは0428(21)7291まで。(伊藤)