あきる野 栗原テクノが販売 室内用ゴルフ練習装置

正面の青いネットに向けショットする栗原社長

広い庭がなくても、アパートの一室でも、6畳ほどのスペースさえあればゴルフができる。しかも打った球は必ず戻ってくるという優れもの。栗原テクノ(栗原米司社長、あきる野市渕上)が開発した「ゴルフ練習装置」は、コロナ禍のおうち時間を充実させるのにぴったりの道具だ。

アプローチ専用の室内用練習装置。5〜15㍍の距離からネットに向けてショットすると、ネットに音と衝撃を吸収された球は静かに受け台に落下し、レールを伝って球供給ユニットに収まる。ネット、受け台、球供給ユニットそれぞれに独自の工夫を施し、3つの特許を取得している。

社長の栗原さん(71、同市引田)は30歳を過ぎてゴルフを始めたが、仕事が忙しく、なかなか練習場に通えなかった。自宅で練習できればと思ったものの、ネットを張れる広い庭はない。そこで、当時住んでいたマンションの一室で使える装置を自作し、数十年愛用してきた。

60歳で公務員を退職後、6年ほどかけて装置を改良。2017年に開業し、特許を取るなどして製品化の準備を進め、19年に発売に至った。

畳むとコンパクトになる「ゴルフ練習装置」。正式な商品名は「売れるようになったらつける」という

アプローチの上達がスコアアップに大きく影響することはプロも認めるところ。「気軽に練習に出かけられない人でも、家でコツコツ練習すれば必ずうまくなる」と栗原さん。「ゴルフが好きな人には、絶えずクラブを持っていたい、打っていたいという気持ちがありますから」と続ける。

練習装置は、レールや受け台を畳むとコンパクトになる。キャスター付きで楽に移動できるので、使わない時は部屋の隅にしまえる。音が静かで、打った球が手元に戻ってくるという機能性に加え、収納性が高く家族に邪魔物扱いされないことも、製品が愛される大事な要素という。夢は一家に1台。「お
父さん、お母さん、子どもたち、皆で使ってほしい。これを1台持つことで家族に団らんが生まれる、そんな装置になったらうれしい」と目を細める。

栗原さん一人で、手作業で作るため、生産量は月2台がやっと。価格は1台25万円(税別)。月曜〜土曜の10時〜17時で栗原さんがいる時なら見学、試打も可。問い合わせは042(533)2906まで。(伊藤)