コロナにも雨にも負けず小和田花火大会20回 地域の青年団の取り組みが発展 夏の風物詩に

雨にけぶって幻想的な花火。打ち上げはホソヤエンタープライズ(同市草花)が担当

雨にけぶる夜空に260発の花火が上がった――。あきる野市五日市の晩夏を彩る「第20回小和田花火大会」が14日開催された。前日から降り続く雨のため中止も予想されたが、大会実行委員会(天野正昭実行委員長)は「20回記念をコロナにも雨にも負けない大会にする」と当日朝に実施を決め、予定通り開催した。

花火大会当日の14日8時30分、準備のため実行委員18人があきる野市の小和田会館に集まった。天気はすでに雨。夜まで雨の予報が出ていたが、実行委員会は「いろんな人がこの日を楽しみにスケジュールを組んでくれている」と迷いなく実施を決断。手早く作業を分担し、持ち場に散った。

20回を数える花火大会は、「子どもたちの夏の思い出づくりに」と地域の青年団「和楽会」が駐車場管理で得た資金を使い2002年に実施したのが始まり。初回は会館東側の駐車場で3寸〜5寸玉25発を上げる小規模なものだった。

コロナにも雨にもめげず準備に集まった実行委員会の皆さん

第4回から集落の有志でつくる実行委員会が主催し、住民や事業所などから協賛金を募って地域の皆が楽しめる花火大会に。打ち上げ場所も現在と同じ御嶽神社西尾根に変わった。社近くに打ち上げ場所を設けることは、「神社が燃えたらどうする」などと、当初は年配者の反発を受ける場面もあったが、やってみるとあまりによく見えたため反対意見は出なくなった。

その後、2011年の第10回大会からスポンサーが代金を負担して花火を打ち上げる「スポンサー花火」を導入。東日本大震災の年と重なったこともあり、鎮魂の意を込めて、初めて尺5寸サイズを上げた。花火を製造する細谷火工㈱(同市菅生)から5発の尺玉提供もこの年から始まり、現在まで続いている。

コロナ禍の20回大会は昨年同様、観覧席を設けず、YouTubeでの動画配信を実施。小和田自治会が「コロナ禍に立ち向かう全ての人に向けて」と題して上げた、青色を基調にした特大スターマインがフィナーレを飾った。約760人がライブで視聴した。

大会終了直後からSNSを通じて多くのお礼メッセージを受け取った天野正昭実行委員長は「多くの方に喜んでもらえたようだ。コロナにも雨にも負けず実施して本当によかった」といい、「協賛金も昨年より2割ほど多い230件から集った」と花火を楽しむ一人ひとりの協賛金で大会が続いてきたことに感謝した。(伊藤)