丹波山村にクラフトビール誕生 タップルーム併設の醸造所 Wolves Brewing

ラベルには2匹のオオカミをデザイン
ラベルには2匹のオオカミをデザイン

 奥多摩町に隣接する山梨県丹波山村にこのほど、クラフトビール会社「Wolves Brewing」(園部英生代表)が誕生した。同社は国道411号沿い、県境の鴨沢地区に醸造所を構え、9月中旬に出荷を開始した。醸造所には試飲ができるタップルームが併設されている。

 現在は、柑橘系のような香りと苦味の効いたIPA(330㍉㍑、750円)、トロピカルフルーツのような香りで苦味を抑えた「HAZY IPA」(同、850円)の2種を販売。アルコール度数、苦味を抑えたライトな喉越しの「Session IPA」をまもなく発売する。

 園部さん(58)は2008年、経営学修士取得のため、南カリフォルニア大学に留学。米国で2年ほど生活する中、当時の日本では馴染みがなかったクラフトビールや小規模醸造所「マイクロブルワリー」に出合った。

 それぞれの醸造所が手掛ける多種多様なビール、ステンレスタンクを眺めながら試飲ができるスタイリッシュなタップルームなど、クラフトビールの世界に魅了された。いつかは自分もこんな空間を作りたいと思うようになったという。

 帰国後は外資系のデジタル関連商品を扱う仕事に就いた。4年ほど前からビール熱が再燃。昨年1月に会社を退職し、本格的に醸造所開業に向けて動き始めた。

園部さんのこだわりが詰まった醸造所
園部さんのこだわりが詰まった醸造所

 都心部に暮らしていた園部さんが村を選んだのは、豊かな自然環境、美味しい水、そして奥多摩湖畔が目下に広がるロケーションが決め手だったという。

 園部さんは「村の多くの人の温かい助けによって開業することができた。丹波山村発のビールを多くの人に知ってもらえるよう、生産量も徐々に増やしていきたい。ビールと料理のペアリングを提案するなど、クラフトビールの魅力も同時に伝えていけたら」と目標を語った。

 購入は醸造所で。道の駅たばやまでも販売予定。タップルームの営業日時等はインスタグラムから。(鋤柄)