あきる野ルピア⇨トラストルピアに
ネーミングライツで2025年10月から
秋川駅北口にあり、あきる野市の子育て支援機能が集積するあきる野ルピアに愛称がついた。同施設は10月から「トラストルピア」になる。市が今年度導入したネーミングライツ制度を利用し、同市二宮東のトラスト(熊澤俊典社長)が命名権を得た。

同社は1983年の創業以来、健康食品の包装に特化した専門サービスを行っている。約70人の従業員の9割以上を占める女性パートタイマーの丁寧な仕事が40年続く社業を支えてきた。機械化が進む中でも徹底した目視確認が安定した製品を生み、それが会社の信用、顧客の信頼となって新たな仕事を運んでくるという。
熊澤社長(55)は女性従業員が安心して働ける環境整備の一環として5年ほど前、社内に保育所の設置を検討。食堂を改装し、開設手前まで準備が進んだが、保育士の確保に難航し、実現には至らなかった。

他方で自治体が公共施設などに企業名や商品名などを冠した愛称を付与する権利(命名権)を売却し、その対価として契約料を得るネーミングライツの制度があることを知り、あきる野ルピア一択で手を挙げた。ルピアの1、2階にはこども家庭センターや乳幼児一時預かり所など市の子育て関連機能が集約されており、何らかの形で子育て支援に関わることができればと考えたからだ。
自社では子どもの体調不良や行事による休みが取りやすい雰囲気づくり、威圧的な顧客との取引を避けるなど、特に女性従業員が働きやすい環境整備に心を砕く熊澤社長だが、人手が多く必要な職種であるため人材確保には常に苦戦している。ネーミングライツに取り組むことで会社の信用度、企業価値を高め、女性採用につなげたい思いもあるという。 (伊藤)
