檜原村唯一のミニスーパー「かあべえ屋」 村民、観光客に愛されるスーパーに
檜原村役場近くのミニスーパー「かあべえ屋」が13日、開業から丸1年を迎えた。初年度(昨年7月~今年3月末)の売上は約3600万円で、当初予想された1485万円を2・5倍近く上回った。
「かあべえ屋」は人口2200人余りの村で唯一、生鮮食品や日用雑貨など日常生活に必要な品物が一カ所でそろう総合ストア。高齢・過疎化に伴い各地域に古くからあった商店が次々と閉店する中、買い物の不便を少しでも解消しようと村の資本で設立した。
村が株式の98%を所有する第三セクター㈱めるか檜原(神坂彰夫社長)が運営。全国で共同仕入れを展開する全日食チェーンに加盟することでコンビニより安い、スーパー並みの小売価格と豊富な品ぞろえを実現。村民だけでなく観光客にも広く利用されている。
店内をのぞくと午前中はお年寄り、夕方は保育園のお迎え帰りの若いお母さんたちが目立つ。土日は飲み物やアイスクリームを求めて立ち寄る観光客も多い。
店の近くに住む70代女性は「『ここで買うことが村の応援になる』と村長さんに言われ、毎日買いに来ている。けっこういろんな物が売っていて、日々の暮らしはここで用が足りる」と重宝しているという。
ただ、売上は好調でも経費を差し引くと経営は赤字。神戸の釣場運営とゴミ収集業務の2事業で収益を上げ、「㈱めるか檜原」全体で黒字をめざす。
同社総括部長の小林和宏さんは「1年やってみて、村の人や観光客、多くの方に利用していただけることがわかった。続けることが目標なので、赤字幅を少しでも減らせるよう惣菜の品ぞろえなどで工夫していきたい」と話した。店は年中無休。午前10時~午後8時営業。(伊藤)