フードバンク青梅、活動広がる 西多摩初の取り組み 食品ロス削減の一助に 長淵福祉会 子ども食堂や福祉施設等を支援

西の風ロゴ1 社会福祉法人長淵福祉会(小嶋誠治理事長)が同市友田町に「フードバンク青梅」(島田弘美管理者)を開設して半年余り。流通には乗せられないが安全に食べられる食品を寄贈してもらい、市内の子ども食堂や児童福祉施設などに無料で届ける「フードバンク」活動を地道に続けている。徐々に問い合わせが増えており、活動が広がりつつある。
包装の破損や印字ミス、過剰在庫などで安全に食べられるにもかかわらず廃棄されている食品、いわゆる「食品ロス」は2016年度の農林水産省推計によると、国内で年間643万㌧あるといわれている。フードバンクとは食品ロスを減らすため、企業が抱える安全に食べられるが流通に出せない食品や一般家庭から出された食品を、食べ物に困っている人や福祉施設などにつなぐ活動のことをいう。
同法人は去年4月、同市友田町に子ども食堂「すぺーす まゆだま」をオープン。同食堂の裏に今年1月、フードバンク青梅の事務所を開設した。八王子市や日野市にはフードバンクの団体があるが、西多摩ではフードバンク青梅が第一号。
フードバンク青梅では21日現在、西東京農協霞園芸生産組合(同市新町)、青梅市立総合病院(同市東青梅)、青梅食育クラブ(同市河辺町)、東京青梅ロータリークラブ(同市西分町)など7団体と、個人や個人店舗から寄贈を受けている。寄贈された食品はいったん保管し、毎週水曜日をメインに市内の子ども食堂やなかま亭(同市今寺)、子ども劇場西多摩(同市勝沼)、東京恵明学園(同市友田町)などに提供している。食品の配達は明治安田生命青梅営業所が協力するなど、企業含め多くのボランティアに支えられているという。
担当職員の町田幸子さんは「子どもの居場所作りの支援と、食品ロスの削減の一助になれば」と話す。「最近寄贈したいという問い合わせが増えてきている。寄贈が増えれば提供先も増やすことができるので、活動を広めていきたい」と話していた。
問い合わせは0428(78)3304まゆだま、または0428(23)6233カントリービラ青梅まで。(佐々木)