運動会と展示 笑顔でお別れ 北檜原小学校を送る会
おもちゃ美術館の建設用地となり今月半ばに取り壊し工事が始まる北檜原小学校(檜原村小沢)で3日、同小学校を送る会が開かれた。校庭で運動会が、校舎内では写真や文集などの展示があった。
校舎は1966年に建設され、84年に同校が廃校となって以降、2017年3月まで渋谷区檜原自然の家として活用された。
送る会は校舎の存続を望んでいた田村宏さん(57)、濵中美奈子さん(47)を中心とする地域の有志ら10人ほどで企画。「思い出の詰まった校舎と最後は皆で楽しくお別れしよう」と回覧やチラシの全戸配布で住民に参加を呼び掛けた。傷みの激しい校舎の床を修繕したり、校庭のイチョウの木を剪定したり、可能な限り準備に力を注いで当日を迎えた。
雨の予報を覆し秋晴れとなった当日、200人を超す住民が学校に足を運んだ。運動会では玉入れ、かけっこ、フォークダンス、リレーなどが行われ、子どもも大人も一緒になって楽しんだ。校内では、展示物を懐かしそうに眺める人が多かった。
田村さんは「村を出て暮らす人も含め大勢の人に来てもらえ感無量です。思いがけず懐かしい顔にも会えた」と、送る会が世代を超えた懇親会になったと話した。濵中さんは「どの顔も笑顔で楽しそう。やった甲斐があった」と喜んだ。(伊藤)