カフェで「働く場」提供 こーゆうネットワーク 高次脳機能障害家族の会が発展 地元産の野菜たっぷりのランチ
一般社団法人こーゆうネットワーク(湯淺栄代表)は先月1日、秋川駅そばで就労継続支援B型事業所「こーゆうハウス」(藤原みどり管理者、あきる野市雨間)を開所した。平日日中はカフェとして営業し、あきる野産の野菜をふんだんに使ったランチを提供。また毎週木曜日は麻雀を楽しむボードゲームカフェも同時開催している。
就労継続支援B型とは、障害や病気などで一般就労が困難な人が、雇用契約を結ばず短時間から働くことができる福祉サービスのこと。こーゆうハウスでは、同サービスの利用者がカフェの接客を行う。
同ネットワークは2018年、高次脳機能障害者と家族の会「あきる野 こーゆう」のメンバーである湯淺さんと藤原さんが立ち上げたもの。高次脳機能障害を抱える人の多くは働き盛りの年齢でありながら就労場所がなく、家にこもりきりというケースも多い。このため「障害があっても働ける場所を作りたい」と、3年ほどかけて開所を目指し取り組んできた。現在は笹本幸子さんも加わり、3人で運営している。
カフェで提供するランチは、日替わりランチ(600円)、豚肉の生姜焼き(同)などがメニューに並ぶ。いずれも「なるべく地元産の安全なものを」と仕入れた野菜がふんだんに使われている。そのほか本日のデザート(300円)やハンドドリップのコーヒーなどのドリンク(300円)もある。
今後はカフェから出る廃油を使って石鹸を作る、野菜くずで肥料を作り農業を支援する、など取り組みの構想は広がっている。「利用者の社会に貢献したいという気持ちに応えつつ収益を上げて、利用者になるべく多くの工賃を渡せるようになれたら」と藤原さん。湯淺さんは「ぜひ多くの人にランチを食べにきてほしい。ボードゲームカフェも参加者を募っています」と呼びかけている。
営業時間は午前11時~午後3時。土・日曜定休。ボードゲームカフェは毎週木曜午後1時半~午後3時半(参加費はワンドリンクおやつ付きで500円)。問い合わせは042(533)2786まで。
◆高次脳機能障害とは
脳卒中や交通事故などで脳が損傷することにより、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害のこと。外見からはわかりにくく、「見えない障害」「隠れた障害」などともいわれる。(佐々木)