福生 立山産業 林業用ドローン都内で初導入 作業効率大幅にアップ 安全な作業環境も確保
立山産業(森屋杉人社長、福生市福生)は林業用ドローンを導入し、14日、あきる野市乙津の山でスギ苗の運搬作業を行った。運搬を人からドローンに換えることで、社員の負担軽減や作業の効率化を図る。
林業用のドローンは和歌山、宮崎、岩手の各県などで導入が進んでいる。同社が導入したのはマゼックス製「森飛」。15㌔の荷物を吊り下げて運べる。自動切り離しフックにより、着陸せずに荷物を下ろすことができるため目的地の地形を選ばない。販売店の山進によると都内では初の導入という。
森屋佳山専務ら全社員が、操作方法、取り扱い方、航空法について講義を受け、作業初日を迎えた。
ドローンは1回でコンテナ苗約100本を運搬。人が背負子(しょいこ)を使って30分かけて100本運ぶのに比べ、ドローンは約1分半で運搬した。
社員の負担軽減のほか、苗の運搬で危険が付きまとう山の斜面を何度も往復しなくて済み、安全も確保できる。
森屋専務は「過酷で危険の多い林業だが、ハイテク機器を活用することで少しでも楽に、安全な作業環境を確保していきたい」と話す。また、「着陸せずに荷を下ろせるため、災害時の物資運搬などにも貢献できるのではないか」と防災にも役立てたい考えだ。
同社は、公園や道路など公共施設のほか、民間企業、個人宅の樹木の剪定、伐採、草刈りなどの緑化管理や緑化工事を、多摩地域を中心に展開。緑を通して社会貢献している。
あきる野ドローン協会の天野正昭会長は「2年前、私たちはあきる野市で『全国ドローンフォーラムinあきる野』を開催した。その時のテーマは『ドローンは実務に投入される時代が来る』だった。今回、地元で林業にドローンが投入されたことを知り、大変うれしく思う」と話している。(岡村)