西多摩 小・中学校 感染対策講じ手探りで 地域ごとの実情に合わせ再開

異例の一斉休校を経て、西多摩の小中学校が再開した。各自治体が国・都のガイドラインや地域の実情に応じて、新型コロナウイルス感染防止の対策を講じつつ、手探りでのスタートとなる。子ども、保護者ともに歓迎する声が多い。ただ一部の学校では子どもの手指をアルコール消毒する方針を示しており、保護者からは手荒れや免疫力の低下を心配する声も聞こえてくる。(佐々木)

西多摩では、児童・生徒数の少ない学校は一斉に再開。そのほかの学校は学級を2つに分けて登校させるなどの分散登校で再開した。感染リスクを減らす工夫を凝らしつつ、給食も順次再開していく。夏休みの開始・終了日は自治体ごとに異なり、学校の裁量に任せているところも多い。夏休みの期間は例年より短縮される見通し。感染防止対策としては、各自治体とも、国・都が示した学校再開ガイドラインに準じて、できる限りの対策を講じる。具体的には手洗いや咳エチケットなど基本的な感染症対策の徹底、児童・生徒同士の間隔を適度に取る、換気をよくするなど。
また同ガイドラインは除菌について、特に多くの児童・生徒が触れる箇所(ドアノブ、手すり、スイッチ)などは適宜、消毒液で清掃するよう記載。子どもの手指の消毒は指示していない。

子どもの手指を消毒するかどうかは各学校の裁量に任されているところが多く、学校によって対応はまちまち。「正しく手洗いすることでウイルスは洗い流せると言われている。子どもの手指の消毒までは行わない」とする自治体や、「登校時に児童・生徒の手指のアルコール消毒を行う」と保護者に通知した学校もある。

アルコール消毒については、スーパーなどの出入り口にスプレーが設置され、民間では一般化しつつある。ただ手荒れや免疫力の低下を招くという声もあり、学校という公的な場で児童・生徒に行わせることに疑問の声が上がっている。一部の保護者からは「病院でアルコール消毒されるときには必ずアレルギーの有無などを聞かれる。肌に刺激があるということだろうが、それを毎日、長期間続けて大丈夫なのか」「大人でも毎日手指を消毒していたら手が荒れる。細かい傷からウイルスが入る可能性もあるのでは」などと心配の声がある。

 

西多摩各学校の再開スケジュール

◆青梅市
1日から分散登校(小・中規模校は一斉登校)。中学校は8日から、小学校は15日から通常登校となり、給食もそれぞれ再開する。給食は配膳が簡単に済み、かつ栄養価が落ちないようメニューを工夫する。夏休みは8月1日~同17日とし、18日以降でいつ2学期の始業式を行うかは各校の裁量に任せる。

◆福生市
1日から分散登校で
再開し、給食も同日から簡単に配膳できるワンプレート給食で再開した。一斉登校・給食は8日から、1学期の終業式は8月7日、夏休みを経て始業式は同27日を予定している。

◆羽村市
1日から分散登校で再開し、一斉登校は中学校が15日から、小学校が22日からを予定している。給食は8日から、個包装のパンなど簡易メニューで再開し、小・中とも7月1日までに通常の給食に戻す予定だ。夏休みの期間は各学校が実情に合わせて決定する。

◆あきる野市
1日から再開し、5日まで分散登校を実施(一部小規模校は同日から一斉登校)。8日から一斉登校で、同時に給食も再開。当面は簡単に配膳でき、かつ栄養価が落ちないようメニューを工夫する。1学期の終業式・2学期の始業式ともに各学校の裁量に任せているが、市としては7月31日まで、また8月最終週から給食を実施する方向で調整中。

◆瑞穂町
5月28日から今月5日までを分散登校とし、8日から一斉登校をスタート。同日から個包装したパンなどの簡易的な給食を提供する。終業式は8月7日、始業式は同25日を予定している。

◆日の出町
1日から分散登校を開始し、8日から一斉登校、給食は通常通りのものを15日から実施する予定。終業式は7月31日、始業式は8月
24日以降で各学校の裁量で決定する。

◆奥多摩町
1日から、給食も含めて通常通りに再開。終業式は8月7日、2学期始業式は小学校で同21日、中学校で同24日を予定している。

◆檜原村
5月28日から再開し、給食は教員が配膳する形で今月1日からスタート。終業式・始業式の実施時期は未定。

※5月27日現在の情報。随時変更の可能性あり。