奥多摩町「0円空家バンク」まもなく開始 自由に使える空き家を無償譲渡
奥多摩町は希望する人に空き家を無償譲渡する「0円空家バンク」を開始する。空き家は住居だけでなく倉庫やアトリエなどとして使ってもいい。譲渡される側はもちろん、解体するにも費用がかかる空き家をタダで処分できるなど所有者側にもメリットが大きい。
町では毎年、空き家の件数や状態などを調査している。現在、町が把握する空き家の軒数は約450。「空家バンク」に登録して活用を待つ物件もあるが、中には倒壊の恐れがあったり衛生上問題があったりして「特定空家」に近い状態の建物も。
特定空家に指定されると、土地にかかる固定資産税の優遇措置がなくなり、所有者の負担が増す。防犯、衛生面で周辺住民への影響も大きいことから、そうなる前に対処するのが望ましい。町では建物の解体に10万~50万円の補助を出しているが、処分は進んでいないのが現状だ。
バンクの創設で特定空家化を防ぐ。担当課の若者定住推進課の新島和貴課長は「空き家は活用しなければ負の遺産になる可能性があるが、0円でも欲しい人がいることがわかれば、所有者の意識も変わるかなと期待しています」と話す。
ただ現状、紹介できる物件がまだない。登録物件が集まりしだい、町のサイトで公開するという。(伊藤)