生姜まつり中止 来年への思い強く
9月にあるあきる野三大まつりはいずれも中止が決まっている。秋風に乗って響く祭囃子や威勢のいい神輿の掛け声も今年は聞こえない。それでもまつり男たちは「来年こそは」と思いを強めている。(岡村)
4月にあきる野市の二宮神社氏子会長の任を受けた。生姜まつりに思いを馳せたが、緊急事態宣言が出ていた時期、不安があった。6月23日、氏子役員会は全会一致で中止を決めた。「断腸の思いですよ」と声を落とす。
二宮に生まれ育ち65年。祭囃子と神輿の掛け声を体に沁み込ませて育った。まつりの日が来るのが楽しみで仕方なかった。自他ともに認めるまつり男だ。ここ9年間はまつりを取り仕切る統括を務めてきた。「現場指導ではピカイチ」と河野清亮宮司(84)も太鼓判を押す。
「終戦の年もやったというから、知る限り中止は初めてのこと」という。昭和天皇崩御の時は天皇と共にある神社なのだからと、音曲を抑えて開催。東日本大震災の時は元気をつけようと行った。
まつりは中止となるが、式典は9月9日に役員30人ほどで執り行う。御朱印も受け付ける。3日前の6日には本殿や境内の清掃を行い、気持ちよく当日を迎えるという。
生姜まつりは囃子、太鼓、神輿、浦安の舞、それに歌舞伎があるまつり。にぎやかに露店も並ぶ。「これだけそろったまつりは近在近郷では他にない」と胸を張る。
気が早いが来年のまつりに思いが強まる。新型コロナウイルス感染症が収束して、例年通りに開催できることを杉田恵喜会長代行ら役員と共に願う。「その前に正月の初詣は何とか行いたい」と力を込める。役員で知恵を出し合い、感染症対策を万全にして実施に漕ぎ着ける心積もりだ。