あきる野市伊奈 正一位岩走神社例大祭 「1年後は今年の分まで盛大に」

渡御は獅子を先頭に地区内を巡行する

正一位岩走神社例大祭は6月に渡御の中止を決めてから、総代会を何度か開き、20日に行う神事の内容を詰めてきた。「新型コロナウイルス感染症の対策を最優先し、出席者は神職3人、神社総代13人、年番ら60人余りの計80人になる。6日の総代会で最終決定する」という。

あきる野市戸倉から伊奈に来て40年余り。渡御が中止になったことはない。誰もが記憶にないという。12年前に総代を任されて次の年ぐらいに台風が来た。大雨が予想されたが、当時の責任総代の「中止したことはない」の一言で決行。神事の途中に陽が差したことは語り草になっている。

「渡御は獅子を先頭に神輿が続く見事な隊列が魅力。隊列は300㍍に及び勇壮だ。五日市街道を止めて、人があふれる。半日がかりで地区を回る」。
例大祭は上宿、上村、北郷、新宿の4地区の持ち回りで当番を決めて斎行する。今年の当番は上宿。祭典委員長は田邉哲夫さん、大年番は伊藤達也さんが任された。

「渡御は子どもからお年寄りまでが1年で最も楽しみにしている。5年前に祭典委員長を経験した。責任が重い分、一生の思い出になった」と振り返る。

今年度から秋川と五日市が合併して10年目になる同市神社総代会の会長を任された。ただコロナ禍、総会は書面表決で行われ、何も活動ができないのが現状だ。「新年会の日程は決まっているが、できるかは見通せない。どうにか1年後には元の社会に戻って今年の分まで盛大に行いたい」と思いを馳せる。

「神社の行事は夏越の祓いは回数を3回にし、密を避け実施した。11月の新嘗祭、大晦日の大祓い、そして初詣といずれもしっかりと対策をとって訪れる人を迎えたい。総代一同新型コロナの収束を心より願っています」と語る。(岡村)