バードデザインレタープレス活版印刷で名刺など制作全国的にも珍しい印刷機導入高品質が評判に

SONY DSC — 制作スタジオに立つ市倉さん。相棒ともいえる老舗ハイデルベルグ社の活版印刷機と

あきる野市三内の市倉郁倫さん（44）、淑子さん（44）夫妻は、活版印刷ブランド「Ｂｉｒｄ　Ｄｅｓｉｇｎ　ＬｅｔｔｅｒＰｒｅｓｓ（バードデザインレタープレス）」として、名刺やポストカードなどのデザインから印刷までを手掛けている。全国的にも貴重なドイツ・ハイデルベルグ社の活版印刷機を導入した制作スタジオを自宅そばに構え、高品質な印刷物を丁寧に刷り上げている。
生まれも育ちも三内の郁倫さんは、２００９年にシステムエンジニアとして起業。その際、淑子さんからプレゼントされたのが活版印刷の名刺だった。
「単純にキレイだな、と思ったんです。だから仕事で出会う人に『活版印刷の名刺、いいですよ』と勧めていた」。その流れで、デザインだけ請け負って印刷は他社に依頼するという仕事をしているうちに、「もっと理想に合う名刺を作りたい」と思うように。11年にハイデルベルグ社の印刷機を導入し、本格的に活版印刷業を開始した。
以降、試行錯誤を繰り返し、「２年ほど前から自信をもてる品質のものを作れるようになった」と郁倫さん。特徴は、圧力の高い印刷機を使用、版を厚くすること、適した紙を選ぶことなどにより、印刷された文字やアートが深くへこむこと。徐々に認知度も上がり、全国から依頼があるという。