8組が紡ぐ奥多摩の風景 せせらぎの里美術館で26日まで

出展作家の羽尾さん、石山久輔さん、海野さん(左から)

「奥多摩の風景展」が26日まで、奥多摩町立せせらぎの里美術館(同町川井で開催されている。同町在住の7人の作家と障害者支援施設、東京多摩学園(同町海沢、山下卓園長)の利用者2人が、水墨画、油画、写真、建築模型、陶芸、木工家具、盆栽の、それぞれ異なる手法、視点から奥多摩を捉え作品化した。企画したのは、2年に一度、町内全域でアートフェスティバルを開催する「おくてん実行委員会」。

委員長の海野次郎さん(同町川野)は幅160㌢、高さ2㍍を超える大作「小河内神社図」をはじめ水墨画4点を出展。自身が暮らす小河内地区の風景を、大胆な筆の動きと、墨の濃淡で表現している。

2018年に同町海沢に移住し、今年、建築研究所を設立した一級建築士、丸谷晴道さんは、檜原村で行われたサを模型とパネルで展示。「奥多摩で暮らす中で、急峻地が多い土地の建築の在り方について考えてきた。地形の似た檜原村のコンペに出品したものだが、奥多摩でも実現可能なプラン」と丸谷さんは話す。

町内の作家で構成されるOACF(奥多摩アートクラフトフェデレーション)の代表を務める木工作家、羽尾芳郎さん(同町梅沢)は、地元で採れたクリやカシ、サクラ、クルミなどで制作したスツールや飾棚、サイドテーブルを展示。館内のベランダ付近に設置されており、実際に座って多摩川を眺めることができる。羽尾さんは「奥多摩に根を下ろし、生活し制作する作家たちが考えていること、見ている風景を、鑑賞者の皆さんにも感じてもらいたい」と話した。

開催時間は10時~17時。月曜休館。大人300円。問い合わせは0428(85)1109まで。(鋤柄)