事業承継初マッチング 東京エリア担当の奥住運輸
奥住運輸(奥住尚弘社長、青梅市藤橋)が事業の売り手と買い手をつなげる事業承継マッチングプラットフォーム「relay」(リレイ)と東京エリアパートナー契約を結んで以降、このほど初めてマッチングが成立した。所沢市のそば屋「松むら」の募集記事を11月28日に掲載。1週間で複数の応募があったという。
relayは何らかの事情で事業の継続が難しい場合や、特定の事業を譲渡したいときなどにインターネットを通して事業の買い手を探せるマッチングサービス。売り手は無料でサービスを利用できる。
従来のM&Aマッチングサービスでは事業主の情報が伏せられているのが定石で、成約率が8%前後と低かった。relayでは事業の情報を惜しみなく公開するため事業承継後のイメージがつかみやすく、成約率は80%前後と高い。ひとつの記事に1日200前後のアクセスがあり、今回のようにすぐにマッチングが成立するケースもある。
「松むら」は店舗の設備一式の譲渡を希望しており、「そば屋を経営すること」「自分でそばが打てること」を条件に300万円で買い手を募集した。募集ページには開業の経緯、店主が力を入れた内装のこだわり、レシピや食器も譲渡可能であることなど、売り手の思いを掲載した。
賃貸物件で廃業すると、本来は店内設備の処分代など原状復帰に経費が掛かるが、事業承継の場合その必要がなく、売却資金を得ることができる。「松むら」のように業種を限定した募集や、不採算事業を切り売りするなど、売り手側のニーズに合わせた募集ができる。
奥住さんは「事業譲渡が進めば新しい人が増えて、経済が伸びる。今後は特に西多摩圏で力を入れてやっていきたい」と話した。
後継者募集の相談など問い合わせはメールrelay.okuzumi★gmail.com(★は@に変換)まで。(藤野)