山岳モノレールで小林家住宅へ　最大傾斜43度　檜原の山を体感

　土砂災害の危険区域に指定され、運行を休止していた檜原村藤倉の山岳モノレールが７日、ルートを変更しておよそ１年ぶりに運行再開した。
モノレールはふもとの集落と標高７５０㍍にある国指定重要文化財の小林家住宅を往来する。スギ林の中を走る全長３８４㍍の旅。８人乗りで最大傾斜は43度。体感ではほとんど垂直に感じる角度だ。スピードこそゆっくりだが、体が傾くにつれジェットコースターに乗っているかのような高揚感を味わえる。
約13分で山上へ。管理人の小林茂雄さん（72）が人懐っこい笑顔で乗客を迎える。「モノレールに１回は乗ってみたいという人が多くて…運休になった途端に小林家に来る人も少なくなった」とモノレールの人気のほどを教えてくれた。
　小林家住宅は茂雄さんの祖父が生まれた家で、茂雄さんも子ども時分に遊びに来たことがあるという。約３００年前に建てられた村内最古の民家で、１９７８年に国の重要文化財に指定。２０１１年度から14年度まで村が修復工事を行い、15年７月から一般公開している。
建物の内にも外にも長押のあるつくりが特徴。大工をしている茂雄さんによれば「長押は立派な家につける飾りもの。外にも長押があるのは神社が寺くらいで、ふつうの家にはありえない、気品のあるつくり」。「昔、小林家が組頭をしていたことと関係があるのかも」と独自の見解を付け加えた。
モノレールの乗車、小林家の見学とも無料。いずれも火曜休み。運行時間は午前10時～午後３時ごろ。利用の際は事前（当日可）に電話予約を。０９０（５５４３）０７５０へ。（伊藤）