ライダーズカフェ「多摩里場」営む 任期後も5人が活躍

丹波山カフェ 都市などから地方に移り住み、過疎対策や観光振興など地域のさまざまな課題に取り組む地域おこし協力隊。3年の任期を終えた後も定住を望む隊員が一定数いる一方で、職がない、地域に溶け込めないなどの理由から赴任地を離れる例も多い。山梨・丹波山村では2014年から計14人の協力隊員を採用。現在、任期を終えた5人全員が村に住民票を置き、起業するなどして活躍している。(伊藤)

 

1期隊員の山田正和さん(52)は、奥多摩から甲府に抜ける大菩薩ライン沿いでライダーズカフェ「多摩里場」を営む。 茨城県取手市出身。バイクで奥多摩に月2回は来ており、大菩薩ラインにもなじみが深かった。そんな縁から14年に隣村、丹波山の協力隊に応募。採用が決まった直後から任期後の生活プランを練っていたという。
地域に溶け込むにはまず村を知り、自分を知ってもらうことだと考え、誘われるままにいろんな人の家で食事をご馳走になった。畑の耕し方、土地に合う作物、わからないことはなんでも地域の人に聞き、周囲を巻き込んで作業した。
並行してライダーズカフェ開業の準備を進めた。大菩薩ラインの交通量調査を3年間続け、事業プランを組み立てた。村の人と深く関わる中で、「丹波山のポテンシャル(潜在力)を活かし切る」という店の方向性も見えてきたという。
昨年4月に開業。丹波シカドッグや丹波イモフライなどの地元グルメと、オリジナルコーヒー「雲取山ブレンド」を提供する。平日は地元の主婦らで、休日は全国に散らばる山田さんのバイク仲間らでにぎわっている。
営業時間は平日午前10時~午後6時、土日・祝日は午前8時~午後6時。火曜定休。問い合わせは0428(88)0889まで。