ウオーキングフラワーセラピー考案 介護、教育現場へ広がり 花あそび~花寿庵主宰   青梅の宮野さん

SONY DSC 青梅市柚木町の宮野のぞみさん(46)はフラワーセラピースクール「花あそび~花寿庵」を主宰。自宅裏の山林を活用し、野の花を生ける「ウオーキングフラワーセラピー」というオリジナルのレッスンを行っており、活動の場を広げている。
宮野さんは大学で福祉を学んだが、「命を全うする生き方を考える中で、土や自然にヒントがあると感じて」卒業後は全国各地の農家や酪農家にホームステイして働く道を選んだ。花にも興味が広がって約6年後に青梅に戻り、市内の生花店で働き始めた。
独立したのは結婚・出産後の2007年。「当時は1歳と4歳の男の子を育児中。自分も含めて子育て中のママがリフレッシュする時間が必要だと実感して」託児付きのフラワーアレンジレッスン教室を開講した。
転機は東日本大震災が起きた2011年頃、心のバランスを崩す人についての相談が増えたことだった。「生けた花にはその人の心が現れると常々思っていた。大学時代に心理を学んでいたこともあり、心を癒やす分野で求められていることを感じた」と振り返る。12年、花を生けることで自分の特性や個性に気づき本来の力を引き出していく「フラワーセラピー」をスタートした。
特徴的なのは、生徒自らが宮野さん宅の裏山を歩き、生ける花を選ぶこと。「天気がいい日があれば、寒い日も雨の日もある。いろんな条件の中で生きる野の花は人の生き方にリンクする。温室で育った花はシミもなくまっすぐだけど、温室の中だけで生きていける人はいないですよね」。
1年を通して花を生けることも大切にしている。「春に芽吹き、大きくなって種を作りやがて枯れていく。人の命のサイクルと同じ」。枯れた植物を生けることもあり、「自分がそのとき素敵だと思う花を選ぶこと、人からの評価や技法にとらわれず自分が好きなように生けることで、自分らしさを取り戻すことにつながる」という。「私が花の選び方や生け方を教えることはありません。私は環境を用意して見守るだけで、先生は植物。植物はいつも変わらず人の鏡になってくれる」とも。
近年は、介護や教育の現場でレッスンを求められることが増えてきた。「患う人、死にゆく人…すべての人に寄り添う力が植物にはある。今後は、植物の力を伝える場を広げることに力を入れていきたい」と話していた。
体験レッスン、レッスン見学は随時受付中。詳細はホームページ(花寿庵で検索)で確認を。問い合わせは090(4955)6216、nozomin★baijuen.jpまで。(佐々木)

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