村の木を村で製材、天然乾燥 設立1年 披露会開く 檜原村木材産業協同組合
檜原村木材産業協同組合(代表・青木亮輔東京チェンソーズ社長)の設立披露会が12日、村役場内の住民ホールであった。青木代表(42)は林業、製材業のくくりを超えた「多くの企業とベクトルを合わせ、檜原村の木を生かしていく」と宣言。組合への新規加入を呼びかけた。(伊藤)
同組合は村内の林業、製材業者5社を発起人として昨年1月に設立。村で育てた木を村内で製材、天然乾燥させ、付加価値を付けて販売する。定款変更が可能となる設立1年を過ぎたことから、この機に組合員募集を兼ねた披露会を開いた。木材関連業者ら100人余りが出席。組合の事業に関心を示した。
設立のきっかけは、青木代表が自社の天然乾燥施設を作ろうと、同村三都郷にある村有地を貸してほしいと坂本義次村長に申し入れたこと。村長の反応は「1社には貸さない。協同組合を立ち上げるなら、村が乾燥施設を作って組合に貸し出す」。かくして村の費用負担で3棟の施設が完成。6区画のうち5区間が稼動している。
披露会で青木代表は設立の経緯に触れ、「それまで横のつながりは頭になかったが、村長の提案で各事業者が初めて同じテーブルにつき、村の木材産業をどう活発化していくか意見を交わした」と振り返った。
「森林を産業として成り立たせ、その利益を地域に還元していく」といい、「組合として取り組むことで窓口が一本化し多くの方に関心を持ってもらえる。法人化することで信用度が上がり、助成金などの受け皿になれる」などと組合加入のメリットを挙げた。
青木代表の事業説明に続き、来賓として坂本村長、多摩産材を扱う秋川木材協同組合の沖倉喜彦理事長らが祝辞を述べた。
閉会後、希望者15人ほどが組合員の案内で山上の風通しのいい場所に建つ乾燥施設を見学した。