エコカーレースで3台入賞 創部10年目の快挙 あきる野東中技術研究部
あきる野市立東中学校技術研究部(顧問・斉藤正能教諭、雨谷直人教諭、部員28人)がマシンの燃費性能を競うエコカーの大会で大活躍。出場した3台すべてが6位以上に入賞する好成績を収めた。創部10年目。1年生19人を新入部員に迎え、活動に活気が出てきた。(伊藤)
同部は6月22日にツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)であったHondaエコマイレッジチャレンジ2019 第11回もてぎ大会の中学校部門に出場。チームAが燃費484・018㌔/㍑で2位、チームCが5位、チームBが6位に入った。
大会は制限時間(約35分)内にサーキットを10周走り、燃料消費量から燃費を算出、順位を決めるもの。エンジンをかける時間を極力少なくし、エンジンを止めた状態でいかに長く走れるかがレースの肝となる。
その点でエンジンのオンオフを操作するドライバーの役割は重大だ。ドライバーは制限時間を周回数で割って目標タイムを割り出し、それに近づくようエンジンをかけるタイミングを調整する。
同部は例年複数台で大会に参戦しているが、毎回タイムオーバーが出ていた。今回のようにすべてのマシンが完走したこと自体初めて。その上、そろって入賞したことは快挙だと外部指導員の池田享也さん(49)は喜ぶ。
特に、初めてドライバーに起用した1年小山京香さんの活躍には舌を巻いたという。小山さんは狭い車内にも収まる小柄な体格を見込まれドライバーに選ばれたが、大会当日までハンドルを切る練習すらしたことがなかった。唯一の経験は校内の廊下をわずかに50㍍ほど直進しただけ。
それが本番前の練習走行でコツをつかみ、5位の結果を出した。OBの熊澤大輝さん(八王子桑志高校2年)のアドバイスで目標タイムを紙に書き、車内の見える場所に貼っておいたのが良かったと振り返る。
2位のマシンを運転した山本悠貴部長(3年)は2年からドライバーを務める。今大会前に太ってしまい、一時マシンに体が収まらなくなった。減量のため池田さんからランニングを命じられ、2週間ほど続けたものの、今度は太ももに筋肉がついて入りづらくなった。
本番は体操着のズボンを脱いで厚みを減らし、窮屈を堪えてハンドルを握った。「2位のドライバーは自分だが、マシンは皆で協力して作ったので、皆で出した結果だと思います」と話した。
同部は今後、マシンの電気系統に改良を加え、来月28、29日に同会場で行われる全国大会で優勝をめざす。あさって3日のあきる野夏祭りでは、午後2時10分~2時半、ステージで活動報告と試走を披露する。