台風19号から1カ月 川沿い施設で復旧続く

西多摩各地に大きな被害をもたらした台風19号から1カ月。川沿いのキャンプ場、バーベキュー場などでは復旧作業が続く。13日、被害現場を訪ねた。
あきる野市の網代橋たもとにあるバーベキュー場「あきる野FOREST」では、オーナーの坂本陸二さん(78)と手伝いの70代男性が、激流でえぐりとられた調理スペースに土を入れ、整地していた。
ここは終戦直後の1945年から70年までキャンプ場として使われ、その後、親族から土地を引き継いだ坂本さんが2014年にバーベキュー場をオープンした。坂本さんは親族から、これまで台風などによる水害には数え切れないほど遭っていると伝え聞いていたが、今回ほど秋川が増水し、被害が出たのは初めてだという。
激流により調理場の屋根を支えていた鉄パイプは折れ曲がり、屋根の下にあった木のテーブルやベンチ、流し台は流された。土手は削られ、土の下にあった5㌧もあるじゃかごがひっくり返っていた。
台風翌日の先月13日、水が引いた後に被害を目の当たりにした坂本さんは「もう笑っちゃったよ。自然の力はすっげーもんだなって」。
ただ、新たな発見もあった。坂本さんはこれまで、土の下には砂利があるものと思っていた。ところが下は砂地だった。水が土手を削ったことで、初めて地質が明らかになったという。「こんなにもろい土地なら、水が出たらまた流されるだろう」。そう覚悟した上で、来シーズンまでの復旧を目指す。(伊藤)