フロンティアジャパン㈱  檜原村工場が完成 素材調達から加工まで村内で完結 国産材のノベルティ製造販売

国産材を使ったノベルティグッズ(記念品)の製造販売を手掛けるフロンティアジャパン㈱(本社・江東区、額賀泰尾社長)の檜原村工場が同村藤倉に完成。11日に竣工式が行われた。工場開設を機にスギ・ヒノキを中心とした檜原産材を使い、「メイドイン檜原を広めていく」と額賀社長(48)。村にとっては地元雇用や税収面でのメリットが期待される。(伊藤)

同社が製造するのは、主に国産板材にレーザーで企業ロゴやイラストなどを焼き付けたピンバッジやコースターなど。木のぬくもりと国産材のブランドを打ち出した製品は全日空やサッポロビールなど大手企業にも採用されている。
同社は1998年にノベルティ事業を開始。2012年には東日本大震災で被災した宮城県南三陸町に工場を構え、本社を置く江東区と、事業連携する福井県鯖江市の木製品工場の3カ所で加工を分担してきた。檜原工場は、削る、磨く、カットする、レーザー加工といったすべての作業を一カ所でできる初めての工場となる。素材調達まで含めても、村の中で製造のすべてが完結する。
竣工式で額賀社長は「川上(林業)から川下(製造業)が一体になってやれるところがいい」と工場建設地に檜原を選んだ理由を述べた。また、村で事業を展開すれば「3つのいいことがある」とし、地元の雇用創出、「企業の森」など大手企業との取り組みにより交流人口を増やせる、木材を大量に使うことで森林保全につながる――を挙げた。木材利用では、製品一つひとつに使う量は少なくても、大手企業に採用されれば住宅1軒分に相当する量を使う可能性もあるとした。
来賓あいさつに立った坂本義次村長は昨年、村が5000万円を投じて同村三都郷に貯木場と天然乾燥施設を建設したことに触れ、檜原の木材に付加価値を生み出す事業を村が後押しする姿勢を示した。その上で「檜原は都内1300万人の大消費地に一番近い場所。環境に負荷をかけないプロジェクトで、村にいっぱい税金を納めてもらいたい」と激励。額賀社長が「税金を納められるよう頑張ります」と応じて会場の笑いを誘った。
このほか額賀社長に村を紹介した同村企(起)業誘致アドバイザーの神坂彰夫氏、同村木材産業協同組合の青木亮輔代表らが激励のあいさつをした。
続いて工場建設に伴い導入した高性能機械の実演があった。出席者は、木の板を機械に通すだけで表面がきれいに削られたり磨かれたりする過程を興味深げに眺めていた。