東日本大震災から9年 西の風新聞 直後の報道から
東日本大震災から9年。社会は今、新型コロナウイルスの発生で9年前と同規模の混乱に陥っている。ひとり歩きする情報が混乱に拍車をかける。9年前も直後にスーパーマーケットの棚が空っぽになっていた。震災直後の1カ月、西の風新聞の記事はこんなことを伝えていた。(岡村)
週刊の本紙では3月18日号から大震災の記事を掲載した。「西多摩も生活混乱 復旧への願い届け」の見出しで、青梅線、五日市線、八高線が大震災発生3日後の14日も終日運休になったことや、各地のスーパーで食料品が売り切れになったこと、一方であきる野市が姉妹都市の宮城県栗原市に職員を派遣したことなどを伝えた。
同25日号では計画停電、ガソリン不足、相次ぐイベント中止を受け、「地域経済の萎縮を防げ」と訴えた。被災地への救援活動はより活発になったことや原発事故との戦いを報じた。
4月1日号では「被災地に元気を送ろう」との見出しで、拡大する被災地支援の続報や放射能汚染の問題を取り上げた。一方で、水のペットボトル不足、ガソリン不足が解消したことを載せた。
同8日号は計画停電やJRの運行速報などの情報を得るため、防災メールの登録者が急増していることを報じた。
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9年前と今回では、事態が深刻化した直後に物の買い占めが進んだこと、相次ぐイベントの中止、放射能とウイルスの違いはあるが、見えない敵との戦いなどが一致している。また、防災メールの登録者が急増したように今回はテレワークなどインターネットを使った仕事や学習が拡大している。
生活行動や消費に関する意識も変わるだろう。大震災では、地震発生前と比べて、「節電の心掛け」「インターネット利用の時間の増加」「外食の頻度減少」などが高まった。
新型コロナウイルスの発生を受け、同じ調査をすれば、日常の衛生管理への意識が高まっているはずだ。この高まりが持続し、今後のインフルエンザなど感染症の予防につながればいい。