欧風パンほか1日50種以上 「あきる野にパン文化を広めたい」 「ラ・フーガス」店長の仁禮さん
あきる野市草花の平井川沿いに欧風建物のパン店「ブーランジェリーカフェ ラ・フーガス」がある。店の扉を開けると、フランスのカントリー調のぬくもりのある店内には目にも楽しく美しいパンがズラリと並ぶ。
パン職人で店長の仁禮正男さん(57)のこだわりは、自分がおいしいと思うパンを一つ一つ最高に作ること。流行や売れ行きに左右されず、「『最高においしいパンを作るぞ』という気持ちで毎朝作る。その思いがないとお客様に失礼だから」という。
その数1日50種以上。本格的な欧風パンだけでなく、食パン、甘いパン、ふわふわのパン、イタリアのフォカッチャ、ドイツのサワー種やハード系、あきる野産の野菜を使った惣菜パンもある。どれも仁禮さんが厳選した材料を使い、手間を惜しまず真剣に考えながら作ったパンだ。
仁禮さんは大学の商学部を卒業後、ケーキや菓子、パンを販売するフレンチの飲食店に入社した。その後、転職を経て計8年間修行を積み独立。世田谷の商店街の一角に店を構えた。たくさんの客でにぎわう繁盛店を目指し、雑誌などのメディアにも取り上げられる人気店に成長した。
独立して13年経ち、商売は順調ではあったが、「このまま町場で忙しくパンを焼き続けることが幸せなのか?」との思いがわき、移転を考えるようになった。
都心から離れた自然の豊かな場所を条件に鎌倉などの物件も見て回り、5月の新緑が美しい時期に同市草花を訪れた。のんびりとした平井川沿いのこの地で焼きたてのパンが食べられるカフェのイメージが頭に浮かび、2007年に現在の地に移転。町場の繁盛店から「お客様が幸せな気持ちになる空間と雰囲気のあるパン屋」に方向転換した。
店ではパンお替わり自由のランチも提供している。じっくり煮込んだスープにドリンク、サラダ、マリネ、デザートを選んで追加できる。すべて手作りで税抜1200円~。「いろいろなパンを知ってもらい、おいしい食べ方を提案してあきる野にパン文化を広めたい」という。
営業時間は8時半~18時。ランチは11時~14時半ラストオーダー。火曜定休。問い合わせは042(569)6369まで。(木住野)