岩蔵に伝わる疫病封じ「フセギのワラジ」

image from 0402-9-5新型コロナウイルスの猛威に世界中が脅かされていますが、こうした疫病や感染症を防ごうとする魔除けの習わしが古くからの伝統・民俗・文化として日本各地に残されています。

青梅市岩蔵地域に伝わる「フセギのワラジ」=写真=は、まさにその魔除けの民俗です。

昔の日本では疱瘡や麻疹、天然痘などの疫病は命に関わる病で恐れられていました。それらを少しでも防ごうと人々は目に見えない疫病神を呪術的なもの(魔除け)によって防ぎ、祓い、退けてきたとされます。

こと岩蔵地域においても、人々は疫病への恐怖心を抱いており自分たちの生活の場を守るため、大ワラジを村境6カ所に結界を張るがごとく吊すことで外部からの敵を威嚇し防いでいました。

「この村には恐ろしい巨人がいる」と外敵に思わせ疫病などの悪を防ぐ。この「防ぐ」が「フセギ」の由来となっています。

大ワラジを作り村境に吊す行事が毎年7月下旬に行われる「御精進日待(おしょうじんひまち)」。岩蔵の住民が縄をなうところから行う一連の行事は昨年、東京都の無形民俗文化財に指定された貴重な地域の財産です。

まだまだ新型コロナの感染拡大が懸念されますが、こんな時期だからこそ岩蔵を訪れ、6カ所のフセギのワラジを巡ってみてはいかがでしょうか。疫病から私たちを守ってくれるかもしれません。【投稿】Iwakura experience