あきる野 菅生学園初等学校 オンライン授業が好調 若手教員、積極的に取り組む

オンライン授業の様子
オンライン授業の様子

あきる野市菅生の菅生学園初等学校(下平孝富校長、全校児童数104人)は2日、ビデオ会議ツールZoom(ズーム)を使った双方向型のオンライン授業を開始した。数年前から段階的に進めてきたインターネット(ICT)学習が、新型コロナの影響で一気に前進した形だ。下平校長は、「(平均年齢20代後半という)若い世代の教員が積極的に取り組んだ成果」とみている。(伊藤)

同校では2018年、児童1人に1台、校内のみで使用できるタブレット端末を配布。調べ学習や発表の場で役立ててきた。並行して教員の研修を実施。東京学芸大学の教授を講師に招くなどして思考力、表現力を高めるICT学習について考えを深めてきた。

2020年度から通信環境にかかわらず家庭でも使える新しい機種に入れ替え、家庭学習の充実を図る計画だった。その矢先の新型コロナ。同校も国の要請を受け3月2日から休校措置をとった。

4月、情報担当の下野祐輔教諭(31)を中心にオンライン授業の検討が始まった。下野教諭が個人的にも扱い慣れているズームの活用を提案すると、同年代の他の教員たちから「こんな使い方はどうだろう?」などと活発な意見が出た。その後、数人ごとのグループで授業の試作を重ね、疑問点やアイデアをアプリで共有。授業の標準を作り上げた。

4月23日から3日間、保護者に来校を求めタブレットを配布。5月2日から週2~3日のペースでオンライン授業を続けている。

下野教諭は「友達や先生に会えず不安の多いこの状況で、お互い楽しく授業ができていることに価値がある。この2週間で子どもたちが思った以上にオンライン授業に慣れてくれたので、第2波の際にも学内での授業からスムーズに移行できるのでは」と、成果と期待を語った。

子どもたちは授業のある日は制服を着用する。インターネットを使った朝一番の健康カードの提出、夕方の宿題提出などで生活リズムが整い、休み時間に交わす友達との会話が不安の解消にもつながっているという。

下平校長はコロナ禍でのオンライン授業の利点を認めつつ、「小学校は集団生活のスタートライン。子ども同士、先生と子どもが顔をつき合わせてコミュニケーションを取ることも大事」と話し、学校再開を心待ちにしている。