奥多摩の美術家、石山さんの絵画展「―素描から油彩まで―」 7月12日まで

安寺沢のほとりの山の中に建つ石山さんの住居兼アトリエ

奥多摩町氷川の美術家、石山久輔さん(70)が自身の住まいやアトリエを開放して行う絵画展「―素描から油彩まで―」が、7月12日まで開かれている。5、6年前から取り組む油彩の御前山シリーズに加え、今年初めに訪ねた府中市郷土の森公園の風景画などが展示されている。

自然に学び、自然に即した暮らし、創作を実践する石山さん。その代表作は、1年半かけて基礎と骨組み以外を自作したという住居や四季折々に花、果実が楽しめる庭だろう。

石山さんは35年前、都心から奥多摩に移り住んだ。本仁田山登山口近くの山の中に土地を求め、道を作り、沢から水を引き、家を建て、自らが理想とする環境を一から手作りした。テレビ、車、パソコンを持たず、庭に育った果実やワサビ、ミョウガなどの山の恵みをいただくシンプルな暮らしの中で、物を見る目を養ってきたという。

自宅併設のギャラリーに作品を展示する。もちろんこれも手作り

絵画展は毎年、庭の山桜の開花に合わせて開いていたが、今年は新型コロナのため会期をずらしての開催となった。

石山さんは「外出自粛は人が密集する都市の政策。本来は奥多摩こそ都会の人を受け入れて癒やしを提供すべきではないか。人間は自然に触れ、自然に癒やされて活力を得る生き物。自然と一体になった作品展にぜひお出かけください」と話す。

開催時間は13時〜17時。電話で都合を聞いてから来場を。問い合わせは0428(83)3850まで。(伊藤)