青梅の築地さん「みか築やパン工房」主宰 半農半ベイカー水・土はチャレンジショップ

自家製酵母を使った「レモンピールとチョコチップのショコラコンプレ」

青梅市今寺の築地千恵子さん(49)は「農家のパン屋さんみか築(づき)やパン工房」を主宰している。「半農半ベイカー」と自称するとおり、日々の仕事の半分は夫が営む農業をサポート。毎週水・土曜は青梅創業支援センター前のチャレンジショップ(青梅市東青梅)で、素材にこだわった体にやさしいパンと、新鮮な野菜を販売している。

築地さんは神奈川県出身。結婚後、2000年に同市に転居した。パンを学び始めたのは40歳になってから。夫は代々農業を営む家の長男で、家に人がくることが多く「おもてなし料理を覚えよう」と料理教室に通い始めた。そのプログラムの一つにパンを学ぶクラスがあり、楽しさに夢中になった。

パン作りは趣味の一つだったが、「起業しよう」とひらめいたのが15年秋。

当時調理スタッフとして勤めていたまつぼっくり保育園(羽村市羽西)でパンの仕入れ先を探すことになり、「私がパンを作って卸したい。50歳までの5年間でパン屋さんになれるようにやってみよう」と考えた。以降、起業セミナーに参加して知識を得たり、同市内のパン店に勤めてノウハウを学んだりと準備を重ねた。

自宅敷地内の物置を改装し工房を構えたのが昨年5月。翌月に起業し、当初の目的だった保育園へのパン卸もスタートした。夫も同年4月に脱サラして農業を営むようになり、日々の仕事の半分はパン製造・販売、半分は農業という生活が始まった。

工房のある自宅脇の畑に立つ築地さん

園児が食べるパンを作っているだけあって、「添加物を極力使わない。マーガリンは使わない」など、素材にはこだわっている。自家製酵母を使ったパンも少しずつラインナップに加えている。「八重桜や無農薬のバラから起こした酵母でパンを焼き、喜んでいただきました。今後は身の回りにあるよもぎやハーブ、農家だからこそ手に入る新鮮な野菜を使って、うちにしかできないパンを焼いていきたい」と夢を膨らませる。

チャレンジショップの営業時間は毎週水・土曜10時〜13時。臨時休業もあるため、インスタグラム、公式LINE(@053wyxjf)で確認を。問い合わせは090(3549)6952まで。(佐々木)